ブックマーク / synodos.jp (36)

  • 歴史修正主義と「言語ゲーム」――学術の力を信じるために/『歴史修正主義とサブカルチャー』著者、倉橋耕平氏インタビュー - SYNODOS

    歴史修正主義と「言語ゲーム」――学術の力を信じるために 『歴史修正主義とサブカルチャー』著者、倉橋耕平氏インタビュー 情報 #「新しいリベラル」を構想するために 90年代に現れた歴史修正主義的言説。多くの学術的な批判がなされてきたが、一向に収束する気配はなく、インターネット時代になってますます広く深く蔓延している。なぜ、学術は無力にみえるのか? あるいは、まだ学術の力を信じることはできるのか? 『歴史修正主義とサブカルチャー』の著者、倉橋耕平氏に話を伺った。(聞き手・構成/芹沢一也) ――最初に書のコンセプトを教えてください。 今国会で財務省の公文書改ざんが話題になっていますが、あれこそまさに「歴史修正主義(=歴史否定論)」の系譜にある思考です。私が今回ので問題にしていることの根幹というか、その最悪の事態がいままさに目の前で起こっている。歴史を恣意的に歪めることは、事実を歪めることです

    歴史修正主義と「言語ゲーム」――学術の力を信じるために/『歴史修正主義とサブカルチャー』著者、倉橋耕平氏インタビュー - SYNODOS
  • 分析美学ってどういう学問なんですか――日本の若手美学者からの現状報告/森功次 - SYNODOS

    シノドス編集部から「分析美学について記事を書いて下さい」と依頼を受けたとき、困ったな、というのが正直な感想だった。ある学問について、よくわからないので知りたいと思うことはある。とりわけ新興の、目新しい学術分野が出てきたときはそうだ。神経倫理学とは? 人口経済学って何? 今回の「分析美学ってどういう学問?」という質問もおそらくこの種の質問だろう。 たしかに近頃、「分析美学」という学問分野は、新しく、盛り上がっている学術分野だという印象を与えているようだ。日では2013年に『分析美学入門』(勁草書房)、2015年には『分析美学基論文集』(勁草書房)といった翻訳が刊行され、2015年秋の分析美学をテーマにしたブックフェア(紀伊国屋書店新宿南口店開催)は記録的な売り上げを残した(注1)。だが困ったことに、分析美学というのは、新しく現れてきた学問でも、最近盛り上がっている学問でもないのだ。 この

    分析美学ってどういう学問なんですか――日本の若手美学者からの現状報告/森功次 - SYNODOS
  • リベラリストの「偽善」――リベラル国際主義に未来はあるか?/三牧聖子 - SYNODOS

    現代の政治家にとって、口先ばかりの「偽善者」というラベリングは致命的であるようだ。「ポリティカル・コレクトネス」に配慮してばかりの、中身のない美辞麗句はうんざりだという声、人々の苦境と怒りを率直に代弁し、たとえ世界中から排外的だ、非道義的だと罵られようとも、国民の利益だけを追求するリーダーを待ち望む声は、世界各地に広がりつつある。 このような世界で絶賛不人気な主張の1つが、自国の狭い利益だけを追い求めることなく、平和という共通利益を追求しよう、それこそが啓蒙された自己利益(enlightened self-interest)の要請なのだという「リベラル国際主義(liberal internationalism)」である。 史上初の世界大戦が終結した1919年、リベラル国際主義は人々に希望をもたらす新しいアイディアであった。2度の凄惨な世界大戦を経て、人類は、国際政治は軍事力だけがものをいう

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  • 保護者の所得は学力にどれほど影響があるのか?/山田哲也 - SYNODOS

    文部科学省が実施した保護者調査のインパクト 専門家会議による議論を受けて、2013年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)では、毎年実施される体調査とあわせて、多様な観点から学力に影響を与える要因を分析する「きめ細かい調査」が実施された。 この調査は、(1)経年変化分析調査、(2)保護者に対する調査、(3)教育委員会に対する調査から構成されている。なかでも人びとの注目を集めたのは保護者を対象にした質問紙調査で、そこで得られたデータを用いた調査報告書が2014年・2015年に公開されている(リンク先は容量の大きいPDFなのでご注意ください)。 なぜこの調査結果が着目されたのか。やや遠回りになるが、その背景を整理してみよう。 90年代後半にいわゆる「学力低下」論が社会問題化し、2000年代以降には日でも保護者の社会経済的地位(SocioEconomic Status:SES)を把握し

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  • クルディスタンの独立はクルド人の悲願なのか?/能勢美紀 - SYNODOS

    シリーズ「クルド人の風景」では、日で報道が少ないクルド地域について、毎月専門家がやさしく解説していきます。(協力:クルド問題研究会) 「国家を持たない最大の民族」。クルド人について述べられる際、頻繁に使われる表現で、覚えのある方も多いのではないだろうか。 調査によって幅はあるが、クルド人はトルコ、イラク、イラン、シリア、そして旧ソ連との国境に、およそ2500万~3000万人程度居住しているとされる。一定の人口規模があるのだが、第一次世界大戦後の、主にイギリスとフランスとの間の「中東分割」によって、クルド人居住区域は戦後成立した各国に分断されたため、クルド人は各国で少数派となった。 さらに、一民族一国家を原則とする国民国家思想が国家の理想形として目指される中で、多数派民族を抱えた国民国家形成の過程において、クルド人は少なからぬ抑圧を受けることになる。とくに最大のクルド人口を抱えるトルコにお

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  • 東京に部落差別はない?――見えない差別を可視化するBURAKU HERITAGEの挑戦/上川多実 - SYNODOS

    東京に部落差別はない?――見えない差別を可視化するBURAKU HERITAGEの挑戦 上川多実 BURAKU HERITAGEメンバー 社会 #部落差別#BURAKU HERITAGE 「少なくとも東京には部落差別なんてない」 高校生のとき、社会科の教員から言われた言葉だ。被差別部落出身者として講師をした先日のワークショップでも受講者から同様の発言が飛び出した。ママ友に部落問題について話したときにも「ああ、部落問題ね。西日とかではまだ残ってるやつでしょ」と返ってきた。 「自分は東京で長年暮らしてきたが、部落差別なんて見聞きしたことがない!だから、東京に部落差別があるなんて言われても信じがたい」と言われることも度々ある。 東京は被差別部落の存在を感じにくい街だ。関東大震災や東京大空襲で街がめちゃくちゃになり、人口の流出入も多い。さらに、被差別部落に対して同和地区(注)の指定を都が行わなか

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  • 計算する知性といかにつきあうか――将棋電王戦からみる人間とコンピュータの近未来/久保明教 / テクノロジーの人類学 - SYNODOS

    ある個人的な経験から話を始めたい。半年ほど前、翻訳会社でアメリカ製オンラインゲームを翻訳するアルバイトをしていた私は、数時間後に迫った締切りに冷や汗をかきながら翻訳校正用のソフトを操作していた。 翻訳を仕上げる際かならず使うよう上司に指示されたそのソフトは、私の作った翻訳文に数百個のエラーがあると指摘している。だが、その大半は、数字が正しく訳されていない(Ex.「10」を「十」と訳している)、訳語が統一されていない(Ex.「order」を「注文」と「順番」で訳し分けている)、違う原語に同じ訳語が使われている(Ex.「Objective」と「Objectives」をどちらも「目的」と訳している)といった意味のない指摘なのだ。 文脈に応じて適切な言葉を選び自然な翻訳を作ろうとしてきた私の努力が、文脈を全く考慮しないソフトによって無残に打ち砕かれる。もちろん明らかな翻訳ミスを指摘している箇所もあ

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  • アフリカ系トルコ人、そのルーツをさぐる / SYNODOSが選ぶ「日本語で読む世界のメディア」 | SYNODOS -シノドス-

    2016.07.04 Mon アフリカ系トルコ人、そのルーツをさぐる SYNODOSが選ぶ「日語で読む世界のメディア」 第1世代は暮らし、第2世代は否定し、第3世代は世代を研究している……彼らは、オスマン帝国で生まれ故郷から連れてこられて奴隷にされたアフリカ人の子孫だ。彼らはついに声を上げ始めた。「オスマン帝国に奴隷制があったことが認められるべきだ」と言い、向き合うことを望んでいる。 新聞記者のアレヴ・カラカルタルさんの黒人の父方はスーダンから連れてこられた。母親は白人だ。彼は、「私たちは3世代に渡ってイスタンブルっ子です」と話し始めた。「私たちは、アフリカから連れてこられ、宮廷やその周辺で奴隷にされた家族の子孫です。」 カラカルタルさんは、オスマン時代に最も盛んに奴隷貿易が行われていたのは1700年から1800年だと説明する。「毎年何千人もの人々が奴隷市場から宮廷や裕福な家に分配されま

  • 現代「保守」言説における救済の物語 / 平野直子 / 宗教社会学 | SYNODOS -シノドス-

    2016年に入り、「保守」にこれまでにない注目が集まっている。中心となっているのは、現政権に近く「最大の保守団体」とされる日会議。火付け役となったのは、菅野完氏のウェブ連載「草の根保守の蠢動」(HARBOR BUSSINESS ONLINE)だ。この連載は現在、新書化(『日会議の研究』扶桑社新書、2016)され、品切れが相次ぐ話題作となっている。 菅野氏の連載によって、運動体としての日会議の特徴や、宗教界との関係、その来歴――特に、「生長の家」創設者・谷口雅春の国家観を受け継ぐ一派によって主導されていることなど――が広く知られるところとなった。3月には朝日新聞が、日会議のこのような背景について3回にわたって特集を組む(「日会議研究 憲法編 上・中・下」2016年3月23日-25日付)など、政権をとりまく「保守」団体への注目が、日増しに高まっている。 日会議への注目のほかにも、こ

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  • 組体操、この先に必要な議論とは/内田良×木村草太×荻上チキ - SYNODOS

    年間8000件以上の負傷事故が発生し、重傷事故も相次ぐ組体操。「安全なのか危険なのか」、「実施か中止か」の二者択一の議論ではなく、これから先に議論すべき論点について、名古屋大学准教授の内田良氏、首都大学東京教授の木村草太氏と共に考える。2016年04月01日放送TBSラジオ荻上チキ・Session-22「ココが変だよ日の学校/第二弾・危険性が認知されはじめた組体操 この先、必要な議論とは?」より抄録。(構成/大谷佳名) ■ 荻上チキ・Session22とは TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大事に、テーマやニュースに合わせて「探究モード」、「バトルモード」、「わいわいモード」などなど柔軟に形式を変化させながら、番組を作って行きます。あなたもぜひこのセッションに参加してくださ

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  • ドイツ議会で今週、アルメニア法案審議 / SYNODOSが選ぶ「日本語で読む世界のメディア」 | SYNODOS -シノドス-

    2016.06.02 Thu ドイツ議会で今週、アルメニア法案審議 SYNODOSが選ぶ「日語で読む世界のメディア」 ドイツ議会は、1915年のアルメニア人強制移住を「ジェノサイド」と位置付ける草案を用意し、これを来る木曜日に投票にかける。連立政権と緑の党が承認したこの法案は「アルメニア人とその他のキリスト教マイノリティに対しなされた101年前のジェノサイドの追悼」と題され、当時のドイツ帝国も共犯として責任を問われている。 ドイツで連立を組むキリスト教民主同盟とキリスト教社会同盟(CDU/CSU)、社会民主党(SPD)と、野党の緑の党は、1915年事件について何カ月間も準備した法案を完成させた。4党の承認を得て木曜日に審議されるこの法案は、1915年事件を公式に「虐殺」と位置付け、アルメニア教徒だけでなく、オスマン朝でキリスト教徒のマイノリティであったネストリウス派、シリア正教徒、カルデ

  • 世界で一人しか知らない歴史が目の前にあった/ユダヤ史研究・武井彩佳氏 - SYNODOS

    なにかに夢中になって眠れなくなったことはありませんか。今回登場する武井先生は、歴史研究が楽しすぎて夜中に何度も目が覚め、出産数時間前まで研究をし続けたほど。学部選択に悩む高校生に、最先端の研究をお届けする「高校生のための教育入門」。歴史ってそんなに面白いの? ユダヤ史を研究する武井彩佳先生に、歴史を学ぶ楽しさについてお話を伺いました。(聞き手・構成/山菜々子) ――武井先生は『ユダヤ人財産はだれのものか』をご執筆されるなど、ホロコーストの生命や身体だけではなく、カネとモノといったテーマを扱っていますよね。それはなぜでしょうか。 人間はイデオロギーだけで人を殺せないと考えたからです。 よく、ナチスの支配下で洗脳され、ホロコーストに至ったと考えられていますが、政治的な信念だけで人を殺せるのか。そこまで強固な信念や信条を持つ人はなかなかないでしょう。隣の人の持っている土地が欲しいとか、あの人の

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  • 国立大学での国旗掲揚・国歌斉唱の強制がなぜ憲法問題なのか/憲法研究者100名による声明 - SYNODOS

    それぞれの学校で、入学式が始まろうとしている。2015 年6 月16 日、下村博文前文部科学大臣は、全国86 の国立大学の学長に対し、卒業式・入学式での国旗掲揚と国歌斉唱を要請した。岐阜大学は国歌斉唱を行わないと決めたが、これに関して馳浩・現文部科学大臣は2016年2月、「国立大学として……恥ずかしい」と繰り返し発言した。これに対して全国の憲法研究者有志はこの発言の撤回を求める声明を発表し、3月14日には記者会見を行った。なぜ、この要請と発言が憲法問題なのか。声明と記者会見に関わった憲法研究者たちに見解を寄せてもらった。(記事コーディネイト・志田陽子) 同調圧力の中で声を上げる 氏 昨年6月、下村前文部科学大臣が全国の国立大学の学長に対し、卒業式等での「国歌」斉唱を求めたとき、えも言われぬいやぁな感じを覚えた。もちろん、憲法が保障する大学の自治の侵害といった問題もあるが、真っ先に感じたの

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  • フィリピンで日本軍は何をしたのか?/中野聡×荻上チキ - SYNODOS

    大岡昇平の小説などでも知られる、フィリピンでの日米決戦。日軍はフィリピンで何をしたのか。そして両国の友好の道筋と、今後の課題とは。アメリカ・フィリピン・日の3カ国にわたる国家・社会関係史の専門家、一橋大学社会学部教授の中野聡氏が解説する。TBSラジオ荻上チキSession-22 2016年01月27日放送「天皇・皇后両陛下がフィリピン公式訪問。戦時中、日軍は何をしたのか?」より抄録。(構成/住麻子) ■ 荻上チキ・Session22とは TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大事に、テーマやニュースに合わせて「探究モード」、「バトルモード」、「わいわいモード」などなど柔軟に形式を変化させながら、番組を作って行きます。あなたもぜひこのセッションに参加してください。番組ホーム

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  • 新春暴論2016――「性的少数者」としてのオタク / 山口浩 / 経営学 | SYNODOS -シノドス-

    何やら、毎年この時期に「新春暴論」と題した文章を書く流れになっているっぽい。「暴論」かどうかは皆さまにご判断いただくとして、今年もひとくさり。 いつもの通り長いので、要点を以下の通りまとめておく。 ◎性的少数者をあらわすことばとして最近よく「LBGT」が使われるが、他にも多様な性的少数者がいる。LGBTはこの意味で限定的な概念であり、他の多様な性的少数者を切り捨てている部分がある。特に、性的少数者の概念が提唱された当初は含まれていた、性的嗜好に関する少数者を含めていないこと、また彼らを一段下に見ているふしがあることは、社会における多様性を旗印とするLGBTの主張との間に齟齬があるように思われる。 ◎小児性愛やレイプなど、実行すれば犯罪となる行為を描いたマンガ、ゲームなどの創作物を消費する一部のオタクは、これにより自らの性的嗜好を実行に移すことなく充足させ、社会と共存している性的少数者といえ

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  • 日韓関係の遠近法/浅羽祐樹 - SYNODOS

    2015年、日韓両国は1965年に国交を正常化してから50周年を迎えた。「共に開こう 新たな未来を」と謳われたが、「史上最悪の関係」という評価が一般的だった。首脳会談だけでなく外相会談も開催できないという異常な事態が続き、相手に対する感情も下げとどまっていた(内閣府「外交に関する世論調査」)。さらに、その原因を互いに「反日」「右傾化」に帰せ、自らを省みようという姿勢に乏しい(言論NPO「第3回日韓共同世論調査結果」)。 そんな中、安倍晋三首相と朴槿恵大統領は、3年半ぶりの日韓首脳会談を行った。日中韓サミットの脇でようやく実現し、昼すら一緒にしないという略式のものだったが、慰安婦問題の「早期妥結」に向けて交渉を加速させることで一致するなど、少なくとも政府間関係はある程度「正常化」した。 40周年のときは、韓流・日流ブームの真っただ中で、日韓関係は今後、「体制共有」から「意識共有」へと進化し

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  • 自民党憲法草案には何が書かれているのか? / 木村草太×荻上チキ | SYNODOS -シノドス-

    自民党の憲法改正草案は2012年に発表され、安倍総理はこれまでも度々、憲法改正に意欲を示してきた。そして今回、来年夏の参院議員選挙においても憲法改正を公約に掲げることを明言した。そもそも、この憲法草案には何が書かれているのか。現在の日国憲法とどう変わっているのか。また、実際にどう機能していくのか。首都大学東京准教授・憲法学者の木村草太氏が解説する。TBSラジオ「荻上チキSession22」2015年09月25日(金)「自民党憲法草案」より抄録。(構成/大谷佳名) ■ 荻上チキ Session-22とは TBSラジオほか各局で平日22時〜生放送の番組。様々な形でのリスナーの皆さんとコラボレーションしながら、ポジティブな提案につなげる「ポジ出し」の精神を大事に、テーマやニュースに合わせて「探究モード」、「バトルモード」、「わいわいモード」などなど柔軟に形式を変化させながら、番組を作って行きま

    自民党憲法草案には何が書かれているのか? / 木村草太×荻上チキ | SYNODOS -シノドス-
  • ロヒンギャ問題はなぜ解決が難しいのか/根本敬 - SYNODOS

    国際社会は現在、日も含め、ヨーロッパに流入するシリア難民の問題に関心を向けている。しかし、難民はシリアだけの問題ではない。年(2015年)5月には東南アジアの海域で生じたロヒンギャ難民のボート・ピープルに注目が集まった。この問題は忘れ去られつつあるが、全く解決されていない。なぜ、解決が難しいのだろうか。 (1)難民としてのロヒンギャ ロヒンギャとは、ビルマ(ミャンマー連邦共和国)のラカイン州北西部に住むイスラム系少数民族のことである。ラカイン州はビルマ西岸部に位置し、その北西部はナーフ河をはさんで隣国バングラデシュと国境を接している。 ロヒンギャは1970年代末と90年代初めの2回にわたり、バングラデシュへ20万人規模の難民となって大量に流出し、そのことで国際的に知られるようになった。バングラデシュ最南部のテクナフからコックスバザール周辺には、現在もロヒンギャの難民キャンプが複数残って

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  • 難民危機のなかのEUの挑戦――人権と主権とを長期的な視野のなかで調停できるか/佐藤俊輔 - SYNODOS

    ヨーロッパへ渡る難民の数は2011年頃から急増し、EU全体で30万人程度であった庇護申請者の数は2014年には62万6715人にまで達した。2015年には難民の数はさらに増え、80万件を超えると予測されている。増え続ける難民の波、そして相次ぐ混乱や悲劇にヨーロッパの人々の意識も人道主義と現実に生じるだろう問題への懸念との間で揺れ動いているように見える。 実際、この一月ほどの間に欧州のメディアで難民危機について報じられない日はなかった。なかでも9月初めにトルコの海岸に漂着したシリア人幼児の遺体が撮影され、拡散されたことは欧州の人々の意識を難民との連帯へ大きく傾けたようであった。 これに続いてハンガリーの首都ブダペストでせき止められていた難民をドイツやオーストリアが受入れる姿勢を示し、難民達を乗せた列車がミュンヘンで人々に歓迎を以って迎えられる様子が多くのメディアで報道されると、ヨーロッパの各

    難民危機のなかのEUの挑戦――人権と主権とを長期的な視野のなかで調停できるか/佐藤俊輔 - SYNODOS
  • なぜシリア難民はヨーロッパを目指すのか――中東の「プッシュ要因」から探る / 立山良司 / 現代中東政治 | SYNODOS -シノドス-

    「この1,2カ月で、シリア難民が急にヨーロッパのことを口にし始めた。多くの難民が何としてでもヨーロッパ諸国に行こうとしている」 9月中旬にヨルダン北部にあるザアタリ難民キャンプで会った国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の担当者は、シリア難民が置かれた厳しい現実をこのように話していた。 9月だけでドイツに着いた難民は20万人を超えたと推定されている。国際移住機関(IOM)によると、ヨーロッパに流入する難民の数は月を追うごとに増えており、今年初めから10月初めまでで56万人を数えている。その半数以上がシリアからの難民だ。 日での報道はめっきり下火になったが、彼らは今も決して整備されているとはいえないルートを利用しながら、死に物狂いで地中海を渡り北上を続けている。 彼らのほとんどはシリア国内の武力対立が「内戦」と呼ばれるようになった2012年半ばごろから、周辺の中東諸国に難民となって流出し

    なぜシリア難民はヨーロッパを目指すのか――中東の「プッシュ要因」から探る / 立山良司 / 現代中東政治 | SYNODOS -シノドス-