かつて、世界のエコカー市場をけん引していた日本の自動車メーカーが、過熱するEV(電動自動車)開発競争では大きく後れを取っている。日本経済の中核を成す自動車産業の停滞の理由を、英経済誌が分析した。 日本の自動車部品メーカー「ジヤトコ」の富士第2工場は、静かな自信に満ちていた。 緑色の床の上できびきびと働く検査員が、車のギアとプーリー(滑車)をチェックし、同社のトランスミッション・システムを完成させる。ロボットが刻印を打った部品が、ベルトコンベアーに載せられる。 ジヤトコでは数十年にわたり、「完璧な車」が造られてきた。ジヤトコのみならず、日本の自動車産業全体がそうだ。「必要なものを、必要なときに、必要な量だけ」供給することで効率化を図る「ジャストインタイム生産方式」の先駆者で、ハイブリッドカー市場をけん引してきた日本は、自動車ビジネスの最先端を走ってきた。 だが、EV(電気自動車)へのシフトと