一方、イギリスでも同様のことが起こる。 本来、「サーモン」とは、イギリスに分布しているアトランティックサーモン1種であり、「トラウト」とは同様にイギリスに生息するブラウントラウトを指した。 大航海時代に入り、英語圏がアメリカ大陸まで拡大、更に太平洋にまで達すると、その定義が崩れた。英国にいないサケ・マス類が次々に英語に組み入れられることになる。 それまで、チャーと呼んできたイワナ属にもトラウトが適用される(レイクトラウト、ブルックトラウトが有名)など、英語でも曖昧になった。 その後、明治期に サーモンをサケ、トラウト をマスと翻訳し、すべての個体が降海する種をサーモン、一部またはすべての個体が河川残留する種をトラウトと定義づけしてしまった。 この定義がイギリスに逆輸入されたことで、さらに曖昧さが加速。 本来であれば、サケはシロザケ、マスはサクラマス、サーモンはアトランティックサーモン、トラ
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