もしかしたら、この世でスマホを持たない若者は自分だけなのではないかと思うときがある。家族も友だちも仕事で出会う人もみんなスマホだ。事実、ガラケーを使っている同年代をわたし以外にひとりも知らない。 「なぜ、スマホにしないの?」 めずらしそうに聞かれるたび、わたしは「なんとなく、この電話のデザインがかわいくて…。」と、うやむやに笑って返しているけれど、たぶん誰も腑に落ちていない。あいまいに答えているせいか、考えていることがよくわからないという表情で、目の前に透明な壁をさっと立てられてしまう。 流行に関心のないちょっと変わった人、他から見たわたしはきっとこうだ。 ほんとうはちがうのに。わたしだって友だちとかわいいスタンプを送りあいたいし、インスタグラムもやってみたい。ただ、スマホに変えることのできないたったひとつの理由をだれにも言わないだけだ。 わたしの携帯電話にはだいじな、だいじなSHINee