タグ

ブックマーク / www.astroarts.co.jp (180)

  • 爆発が近づいてきた再帰新星かんむり座T

    再帰新星のかんむり座Tの新星爆発がいよいよ近づいてきたとみられています。来年には爆発し、2等級で輝く様子が目撃できるかもしれません。 【2023年7月5日 高橋進さん】 かんむり座Tは再帰新星と呼ばれる新星で、これまでに1866年と1946年に増光が観測されています。平常光度は約10等ですが、爆発を起こすと2等近くにまで明るく輝きます。 このような新星爆発を起こす天体の正体は近接連星で、片方の星からもう一つの星へ流入したガスが核融合反応で爆発することによって起こります。一般の近接連星では伴星から白色矮星に直接ガスが流れ込んでいきますが、「共生星」であるかんむり座Tの場合、赤色巨星から流出した水素ガスが連星系全体を取り巻きながら白色矮星の周りに降着円盤を形成し、やがて白色矮星の表面に溜まっていきます。 かんむり座Tの模式図(作成:高橋さん) 溜まった水素ガスが臨界量を超えて核融合爆発を起こす

    爆発が近づいてきた再帰新星かんむり座T
    tweakk
    tweakk 2024/03/25
    “一般の近接連星では伴星から白色矮星に直接ガスが流れ込んでいくが、「共生星」であるかんむり座Tの場合、水素ガスが連星系全体を取り巻きながら白色矮星の周りに降着円盤を形成し、白色矮星の表面に溜まっていく
  • ベテルギウスの爆発は10万年以上先になりそう

    ベテルギウスの明るさの変化を理論分析した結果、超新星爆発を起こすまでまだ10万年程度の時間が残されていることがわかった。 【2021年2月12日 カブリIPMU】 オリオン座の肩の位置に輝く1等星ベテルギウスは、恒星進化の最終段階にある赤色超巨星で、「いつ超新星爆発を起こしてもおかしくない」と言われることが多い。2020年初めに前例のないほど大幅に減光し一時的に2等星になった際には、爆発のときが迫っているのではないかとの憶測もあった。だが最新の研究によれば、どうやら私たちが超新星を目撃できる可能性は低そうだ。 (上段)ヨーロッパ南天天文台の超大型望遠鏡VLTで撮像された2019年1月(左)と2019年12月(右)のベテルギウス。(下段)最近のベテルギウスの光度変化(提供:(上段)ESO/M. Montargs et al.、(下段)L. Molnar, AAVSO, UCSD/SMEI,

    ベテルギウスの爆発は10万年以上先になりそう
    tweakk
    tweakk 2021/02/13
    “ベテルギウスの脈動に加えて、星から放出された大量の塵による減光が関わっていることが示唆”
  • ケレスの白い堆積物のもとは地下からの塩水

    探査機ドーンの観測データから、準惑星ケレスの表面にある明るい堆積物は地下から湧き出した塩水に由来し、湧き水は現在も続いているらしいことがわかった。 【2020年8月18日 マックスプランク太陽系研究所/NASA JPL】 NASAの探査機「ドーン」は2007年9月に打ち上げられ、2011年に小惑星ベスタを1年かけて探査した後、第2の探査目標として準惑星ケレスへ向かった。そして2015年3月から2018年10月まで、3年以上にわたってケレスを周回しながら詳細な探査を行った。 ミッション最後の5か月間には、ドーンはケレスに35kmまで接近する軌道を周回し、直径約92kmの「オッカトル・クレーター」や、その内部にある特に明るい領域「ケレアリア・ファキュラ(Cerealia Facula;faculaは明るい点を表す)」や「ウィナリア・ファキュリー(Vinalia Faculae;faculaeは

    ケレスの白い堆積物のもとは地下からの塩水
  • 100億光年彼方のショートガンマ線バーストの残光

  • 天文の基礎知識:10. 彗星 - アストロアーツ

    突然のように現れて夜空に長い尾をたなびかせる彗星は、古来から忌まわしきものと言われてきました。大彗星の出現は天変地異の前触れなどと言われていたようです。彗星の正体がわからなかった時代の人々にとっては、ボーッとした頭部とそれに続く長い尾、そして夜空を日々移動して行く彗星の姿は、人心を惑わす不思議なものと映ったのでしょう。彗星には大きく分けて2つの種類があります。長周期のものと短周期のものです。彗星もまた惑星と同じように太陽系を構成する天体です。 彗星は通常、中心部に輝く核と、それを取り巻くボーッとしたコマ、尾から構成されています。中にはコマがほとんどなく恒星状に見えるものや、尾がなく球状星団のように見えるもの、核がはっきりせず淡い雲のように見えるものなどがあり、様々です。 核は、彗星の中心部に輝く固体部分です。非常に小さなもので、過去に実際に核の大きさが測られた彗星は、現在のところハレー彗星

  • 冥王星の大気崩壊が急速に進行

    2019年7月に起こった冥王星による恒星の掩蔽を観測したデータの解析から、掩蔽観測時の冥王星の大気圧が2016年と比べて約20%低下したことが明らかになった。 【2020年6月18日 京都大学】 冥王星は、太陽系外縁部のカイパーベルトに存在する直径2400km程度の準惑星だ。太陽から約50億km、地球と太陽との距離のおよそ30倍も離れた軌道を公転している冥王星は、太陽系探査において長らく謎に包まれた未到のフロンティアだった。 冥王星の大きな謎の一つとして大気が挙げられる。冥王星における大気の生成は、地表を覆う窒素を中心とした氷の昇華によるものと考えられている。冥王星の公転軌道は楕円の度合いが大きいため、太陽からの距離の変化が大きく、それにつれて表面の日射量が変わる。その結果、表面にある氷の昇華と凝結のバランスも大きく変わると考えられてきた。ところが、冥王星が1989年以降は太陽から遠ざかり

    冥王星の大気崩壊が急速に進行
  • 宇宙論の大前提がゆらぐ?宇宙膨張が方向によって異なる可能性

    宇宙は全ての方向に等しい速度で膨張していると考えられてきたが、800個以上の銀河団のX線観測データを用いた研究で、膨張速度に想定以上のばらつきが検出された。宇宙論に関わる重要な前提である「等方性」が成り立たない可能性を示唆する結果である。 【2020年4月15日 ヨーロッパ宇宙機関/チャンドラ】 宇宙は局所的には違いはあっても、大きなスケールで全体を見ればどの方向も同じような性質を示しているというのが「等方性」であり、宇宙膨張の速度にもこれが成り立つと考えられる。この原理は基礎物理学に基づいていて、ビッグバンの名残である宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の観測からも支持されている。CMBは誕生から38万年後という幼少期の宇宙の状態を反映するもので、全天で均一な分布が見られることから、初期宇宙はすべての方向に同じ割合で急速に拡がったはずだと考えられている。 ところが、独・ボン大学のKonsta

    宇宙論の大前提がゆらぐ?宇宙膨張が方向によって異なる可能性
  • 土星の大気はオーロラに加熱されている

    2017年に運用終了した土星探査機「カッシーニ」のデータから、土星の上層大気が高温に保たれている謎を解く手がかりが得られた。 【2020年4月13日 NASA JPL】 地球の大気の最上層部は「熱圏」と呼ばれ、密度はきわめて薄いが、太陽からのX線や紫外線で加熱されるために温度が約2000℃にもなっている。これは木星から海王星までのガス惑星でも同じで、いずれも上層大気は高温に保たれている。 2008年11月1日に探査機「カッシーニ」によって撮影された土星の南半球の近赤外線画像。青い領域は太陽からの赤外線を反射している部分で、赤い領域は土星体の熱放射の赤外線を示している。緑色のリングが土星のオーロラで、水素イオンが赤外線を放射している(提供:NASA/JPL/ASI/University of Arizona/University of Leicester) 木星より外側の惑星は太陽から遠く

    土星の大気はオーロラに加熱されている
  • 2等星に陥落!ベテルギウス減光のゆくえ

    昨年末より記録的な減光を見せているオリオン座のベテルギウスの明るさが、1.5等級よりも暗くなったことが確実となった。 【2020年2月5日 高橋進さん】 オリオン座のα星で、全天でも最も有名な1等星の一つでもあるベテルギウスが昨年秋から暗くなってきていると話題になっていましたが、とうとう2等星になってしまいました。この後どのように推移していくか非常に興味深いところです。 オリオン座のベテルギウスは進化の進んだ赤色超巨星です。脈動により0.3等から0.9等くらいまでをおよそ400日くらいの周期で変光する半規則型変光星です。このベテルギウスが昨年の9月ごろから減光を始めました。12月には1.0等を切り、観測史上最も暗い減光などと言われました。 その後も10日で0.1等暗くなるというスピードで急速な減光が進み、1月30日に大金要次郎さんが行った光電測光のV等級で1.54等になり、眼視観測者からも

    2等星に陥落!ベテルギウス減光のゆくえ
  • 冥王星は10億個もの彗星衝突でできたのかもしれない

    探査機「ニューホライズンズ」による冥王星の観測データと「ロゼッタ」で得られた彗星の化学組成のデータから、冥王星はたくさんの彗星が集積して形成されたという新しいモデルが提唱された。 【2018年5月31日 サウスウエスト研究所】 米・サウスウエスト研究所のChristopher GleinさんとJ. Hunter Waite Jr.さんは、NASAの探査機「ニューホライズンズ」による冥王星の観測データとヨーロッパ宇宙機関の探査機「ロゼッタ」による「チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P)」の観測データを組み合わせて、冥王星がどのように形成されたのかを説明する新しい理論を構築した。彼らはこの新しい冥王星形成モデルを「巨大彗星・宇宙化学モデル」と呼んでいる。 Gleinさんたちの研究の中心にあるのは、冥王星の「スプートニク平原」にある窒素の豊富な氷だ。スプートニク平原は大きな氷床で、「トンボー領

    冥王星は10億個もの彗星衝突でできたのかもしれない
    tweakk
    tweakk 2018/06/01
    キングスライムみたいなもんか
  • 中心のブラックホールに制御される大きな銀河の星形成

  • 「暗い太陽のパラドックス」に迫る新しいモデル

    太陽の光が弱かったはずの数十億年前にも地球が凍結していなかったという「暗い太陽のパラドックス」の謎に迫るシミュレーション研究が行われ、温室効果を生み出すじゅうぶんな量のメタンが地球や地球に似た系外惑星で生成される確率が明らかになった。 【2017年12月18日 Georgia Tech】 標準的な太陽モデルによると、20億年前の太陽の明るさは現在の75%程度しかなく、年齢とともに明るくなっていると考えられている。もしこの理論が正しければ、当時の地球は全球凍結状態だったことになるが、実際には液体の水が存在していたことを示す強い証拠が発見されている。アメリカの天文学者カール・セーガンたちはこれを「暗い太陽のパラドックス」と呼び、当時の地球大気はアンモニアによる温室効果を生み出していたと考えた。 米・ジョージア工科大学の尾崎和海さんたちの研究チームは「暗い太陽のパラドックス」の解決を目指し、多く

    「暗い太陽のパラドックス」に迫る新しいモデル
  • おとめ座超銀河団の銀河の動きを可視化

    天の川銀河から1億光年以内にある約1400個の銀河の過去の動きを示す、これまでで最も詳細な軌道図が作られた。 【2017年12月14日 ハワイ大学天文学研究所】 米・メリーランド大学のEd Shayaさんたちの研究チームが作成したのは、130億年前から現在に至るまでの間に「おとめ座超銀河団」に含まれる銀河がどのように動いてきたかという軌道図だ。 図の領域内で最も強く重力の影響を及ぼしているのは、私たちから5000万光年離れたところにある、太陽の600兆個分に相当する質量が含まれる「おとめ座銀河団」だ。すでに1000個以上の銀河がこの銀河団に飲み込まれており、現在、銀河団から4000万光年以内に位置しているすべての銀河も、将来的には銀河団の重力にとらえられてしまう。 天の川銀河は銀河団の重力に捕まってしまう領域の外側に位置しているが、一方で現在は230万光年離れているアンドロメダ座大銀河と徐

    おとめ座超銀河団の銀河の動きを可視化
  • 無数の銀河の深宇宙画像に小惑星の「フォトボム」

    ハッブル宇宙望遠鏡が撮影した無数の銀河の画像中に、複数の小惑星もとらえられていた。スナップ写真などに無関係な人が写り込んでしまう「フォトボム」の、いわば宇宙版だ。 【2017年11月10日 NASA/HubbleSite】 スナップ写真や記念写真に偶然、あるいはわざと無関係な人が写り込む現象や行為のことを「フォトボム(photobomb)」という。天体写真であれば鳥や飛行機、人工衛星などの写り込みがフォトボムと言えるだろう。 その究極版とも呼べるような画像が、ハッブル宇宙望遠鏡(HST)によってとらえられた。メインの観測ターゲットは数十億光年も彼方にある銀河、そこに写り込んでフォトボムを起こしたのは小惑星だ。 HSTは「フロンティア・フィールド」と呼ばれるサーベイ観測の一環として、他の天文衛星や望遠鏡と共に6つの銀河団の観測研究を行っている。以下の画像はそのうちの1つ、くじら座の方向約40

    無数の銀河の深宇宙画像に小惑星の「フォトボム」
  • 観測史上初の恒星間天体か、小天体A/2017 U1

    最近発見された小天体「A/2017 U1」は、その軌道や運動から太陽系外に起源を持つと考えられており、観測史上初の恒星間天体かもしれないという。 【2017年10月30日 NASA JPL/University of Hawaii-IfA】 10月19日、ハワイ大学のRob Werykさんがハワイに設置されているパンスターズ1望遠鏡を使った観測で、高速で移動する直径400m未満の小天体を発見した。小惑星センターに報告された当初は彗星と思われたことから「C/2017 U1」との仮符号が付けられたが、その後の観測では彗星活動が見られないことから、現時点では「A/2017 U1」と呼ばれている。 その後、別の日の観測や別の望遠鏡による観測のデータを集めてこの天体の軌道を調べてみたところ、A/2017 U1がどうやら太陽系の外からやってきたらしいことが明らかになった。もしこれが当なら、観測史上初

    観測史上初の恒星間天体か、小天体A/2017 U1
    tweakk
    tweakk 2017/11/01
    「今年9月2日、A/2017 U1は黄道面を北から南へと横切って太陽系の南側へと回り込み、9日に太陽に最接近した。そして運動方向が南から北へと変化し、10月14日に地球の南約2400万kmを通過した。地球に最接近したのもこのころ
  • 冥王星の地形に初の公式名称、「ハヤブサ大陸」など

    国際天文学連合が冥王星表面の14の地形について公式名称を承認し、小惑星探査機「はやぶさ」に因んだ「ハヤブサ大陸」などが採用された。 【2017年9月13日 IAU/JAXAはやぶさ2プロジェクト】 探査機「ニューホライズンズ」が2015年に冥王星をフライバイ(接近通過)した際に発見した地形のうち14個について、国際天文学連合(IAU)の惑星系命名ワーキンググループが公式の名称を承認した。これまでにも非公式な名称は使われてきていたが、公式な承認は今回が初めてのこととなる。 名称はニューホライズンズのチームと公募キャンペーン「Our Pluto」に参加した一般市民によって提案されたもので、宇宙探査ミッション、歴史的探検家、冥王星やカイパーベルトに関わる科学者や技術者、神話に因むものとなっている(参照:「冥王星と衛星の地名のテーマが公式決定」)。 「冥王星や宇宙探査、冥界などに深い意味や重要性を

    冥王星の地形に初の公式名称、「ハヤブサ大陸」など
    tweakk
    tweakk 2017/09/14
    クトゥルフもモルドールもなくて残念
  • AstroArts: 【特集】七夕 - 七夕伝説

    七夕伝説のおこりは中国です。もともとは、中国の牽牛、織女星の伝説と、裁縫の上達を願う乞巧奠(きこうでん)の行事とが混ざりあって伝わったものといわれています。 2人は夫婦なのですが仕事をせずに遊んでばかりいたので年に1回のデートの日以外は仕事仕事の毎日を強制されるという儒教的思想の色濃いお話。昔の農民が七夕伝説という物語で「仕事仕事」の毎日を哀れむために作られたのが最初なのではないかといわれています。 七夕伝説がはじめて文献に登場したのは、漢の時代に編纂された『文選』の中の「古詩十九編」で、その後、南北朝時代の『荊楚歳時記』の中にも記述があり、このころになって、七夕伝説が完全な説話の形になったのだろうといわれています。 日へは遣唐使などによってもたらされ、日に従来からあった棚機津女(たなばたつめ)の信仰とが混ざってできたとされていますが、その他にも琉球地方には羽衣伝説などと混ざった形

    AstroArts: 【特集】七夕 - 七夕伝説
    tweakk
    tweakk 2017/08/26
    “日本へは遣唐使などによってもたらされ、日本に従来からあった棚機津女の信仰とが混ざってできたとされているが、琉球地方には羽衣伝説などと混ざった形で七夕伝説が伝承されており、伝わった正確な時期は不詳”
  • 「衝撃的」な太陽系の起源

    太陽系の形成が超新星爆発の衝撃波によって引き起こされたとする、長年の理論を支持する研究成果が発表された。 【2017年8月14日 Carnegie Science】 太陽系の形成は超新星爆発の衝撃波によって引き起こされたと考えられている。爆発した星から放出された物質が衝撃波によって周囲の塵やガスの雲に注ぎ込まれ、その雲が重力崩壊して太陽と惑星が形成されたという理論だ。 この太陽系形成理論を確かめるうえで重要なのが隕石だ。隕石には太陽系の形成初期に存在していた元素や放射性同位体、化合物などの記録が残っており、とくに炭素質コンドライトには、最も原始的な物質がいくつか含まれている。こうしたコンドライトを構成する要素で興味深いのは、寿命の短い放射性同位体だ。 米・カーネギー研究所のMyriam Telusさんは、そうした放射性同位体の一つである鉄60に関する分析を行った。太陽系内のすべての鉄60は

    「衝撃的」な太陽系の起源
    tweakk
    tweakk 2017/08/14
    「鉄60は超新星や漸近巨星分枝星と呼ばれる、特定の星の中で起こる核融合反応によってのみ大量に作られるが、それがどのように原始的な太陽系天体内に取り込まれるかについての選択肢はそう多くはない」
  • 系外惑星プロキシマケンタウリbの宇宙天気予報

    太陽系から最も近い恒星「プロキシマケンタウリ」の周りを回る系外惑星「プロキシマケンタウリb」では恒星風の圧力が相当強く、惑星大気に悪影響が及んでいるようだ。 【2017年4月7日 CfA】 地球から4.28光年(約40.5兆km)の距離にある「プロキシマケンタウリ」は、太陽系から最も近い恒星だ。2016年、この星の周りを11.3日周期で公転する惑星「プロキシマケンタウリb」(以降、プロキシマbと表記)が見つかった。つまりプロキシマbは、私たちから最も近いところにある系外惑星である。 プロキシマケンタウリb表面の想像図。明るく描かれているのが中心星のプロキシマケンタウリで、その右の2つの点はリギルケンタウルスA・B(リギルケンタウルスA・Bとプロキシマケンタウリは全体で連星系)(提供:ESO/M. Kornmesser) 中心星とプロキシマbとの距離(約700万km)は太陽から地球までの20

    系外惑星プロキシマケンタウリbの宇宙天気予報
  • 渦巻き模様が伝える星の最期のメッセージ

    年老いた星の周囲にガスの渦巻き模様がとらえられ、その模様の解析から、直接観測することができない連星系の軌道運動が導き出された。 【2017年3月7日 アルマ望遠鏡/国立天文台】 太陽の8倍程度よりも質量の小さい星は一生の最期に大きく膨んで、「赤色巨星」と呼ばれるタイプの星になる。赤色巨星から放出されたガスは、進化が進んでむき出しになった中心星の芯から放たれる強烈な紫外線に照らされ、「惑星状星雲」として見えるようになる。 惑星状星雲はさまざまな形を見せる天体だが、外側は球対称に近い一方で内側は非対称な形状を持ったものもある。まったく性質の異なる形状が一つの天体の中に共存することは非常に不思議だが、中心星が連星をなしていることが不思議な形状を理解する鍵になると考えられている。これを実際に観測で確かめるには、星の周りに生じたパターンを詳しく解析することが重要な手がかりとなる。 台湾中央研究院天文

    渦巻き模様が伝える星の最期のメッセージ