先月17日、フランスのエリゼ宮。三菱重工業の宮永俊一最高経営責任者(CEO)がオランド大統領と会った。アルストームのエネルギー事業部門をシーメンスと共同買収するためだった。 宮永氏はこの席で31億ユーロを投資するという青写真を出した。三菱は米ゼネラルエレクトリック(GE)とアルストーム買収戦で結局敗れたが、グローバル企業買収合併(M&A)市場では巨額の資金を動員できる投資大手に浮上した。最近ではGEとシーメンスを追撃するため日立製作所とともに三菱日立パワーシステムズを設立するなど活発な動きを見せている。 三菱がこのようにグローバル市場に足を突っ込めた背景には日本政府の支援が隠れている。1999年に日本政府は「失われた10年」と呼ばれる長期沈滞を終わらせるため企業の構造調整と投資が切実だった。そんな日本政府が悩んだ末に出したのが3年間の時限特別法である「産業活力法」だ。 商法・民法・公正取引