これまで発表の経緯が分かっていなかった文豪・芥川龍之介の「三つの指環」という作品が最初に掲載されたのは医学雑誌だったことが、専門家の調査でわかりました。専門家は、芥川をめぐる謎の1つが解明されたとしています。 芥川龍之介の「三つの指環」という作品は魔法の指輪を手にした3人の登場人物が、指輪の力に頼らず幸福を手に入れる物語です。 全集には収録されていますが、最初に掲載された雑誌や時期など発表の経緯は不明とされていることから、東京の博物館の研究員・木口直子さんは芥川の古い資料を手がかりに調査を進めていました。 その結果、明治時代に設立された京都府立医大の図書館に所蔵されている、大正12年に発行の医学雑誌、「體性」(たいせい)という月刊誌の4巻6号に掲載があったことを確認したということです。 木口さんは時期などからこれが最初の掲載だと分析しています。 「三つの指環」の内容は病気とは全く関係ありま
