【北京=矢板明夫】中国国営新華社通信によれば、中国共産党中央政治局は28日、前重慶市党委書記、薄煕来(はく・きらい)氏の党籍を剥奪し、身柄を司法機関に送ることを決定した。薄氏は職権乱用などの罪を問われ、懲役刑の判決を受ける可能性が高い。政治的に復活する可能性はこの決定で完全に消えた。 次世代共産党指導者の一人とも目されていた薄氏は、今年3月に胡錦濤国家主席派との権力闘争に敗れ失脚し、4月に政治局員と党中央委員の資格停止の処分を受けた。薄氏の処遇に対し党内で激しく対立したといわれる。 共産党筋によれば、胡主席派は薄氏を司法機関に送り厳しく処罰すべきだと主張したのに対し、江沢民前国家主席ら保守派は党内の規則だけの処分にとどめるべきだと主張。習近平国家副主席も「薄氏への捜査が拡大し、自身の周辺者に及ぶこと」を警戒、穏便に処理するよう主張したという。 8月に安徽省合肥市で開かれた薄氏の妻、谷開来氏