この記事は、2015年7月に開催した UX戦略フォーラム 2015 Summer における私の同タイトルの講演をもとにしています。またこの内容は ÉKRITS への寄稿記事「エントロピーとデザイン」の続編ともなっています。 デザイン・エントロピー デザインのプロセスにおいては、よくこんなことが起こります。サービスの企画段階ではとてもよいコンセプトだったのに、設計や製造の工程を経るうちに、技術的制約、コスト的制約、時間的制約、互換性や保守的な要求への対応、その他の様々な要因により、デザインが妥協案や折衷案にまみれていく。サービスの価値を決定づけている根幹がスポイルされて、気がつけば平凡でつまらないものができあがっている… このように、せっかくのアイデアが次第に骨抜きになってしまうのは、デザイナーにとってとても残念なことですが、これはある意味仕方のないことなのです。なぜなら、このような現象は宇