『おざなり』と『なおざり』。似ている表現ですが、意味はまったく違う二つのことば。使い方は大丈夫ですか?『おざなり』は「御座形」と書きます。もともと「お座敷の形(なり)」ということばで、お座敷(宴会)の席で形ばかりを取り繕ったことをいったところから【いい加減に物事をすること】を『おざなり』というようになりました。そのため「おざなりな返事をする」や「おざなりな対応をする」のように使うのですね。一方、『なおざり』は「等閑」と書きますが、これは漢語の「等閑(とうかん)」をあとからあてたもの。ことばの成り立ちには "そのまま何もせずにいること"をいう「直(なお)」に"遠ざける"という意味を持つ「去(さり)」がくっついたのではないかという説もあります。「約束がなおざりになったまま」や「対策をなおざりにする」のように【いい加減にしておく、何もしない】といった意味で使うのですね。つまり、『おざなり』はいい