通信大手3社の2017年3月期決算が出そろった。NTTとソフトバンクグループは為替の影響を大きく受けたものの、3社とも増益が目立った。主力の携帯電話事業は市場の成熟化や競争の同質化が顕著となってきたが、モバイル通信料収入の拡大や販売奨励金の削減、光回線の拡販で利益成長につなげている。 NTTの営業利益は前期比14.2%増の1兆5397億円だった。減価償却方法を定率法から定額法に変更した影響(約680億円の増益効果)が大きいが、これを差し引いても1200億円以上の増益となる。NTTドコモは携帯電話や光回線の通信料収入が順調に拡大したほか、NTT東西も光回線の卸提供「光コラボレーションモデル」への移行による営業費用の削減効果が続いた。 KDDIの営業利益は同9.7%増の9129億円。au通信ARPA(アカウント当たり月間平均収入)が順調に伸び、2017年3月期は同140円増の5830円(パーソ