本コラムでは、人材マネジメント・労働雇用政策を研究テーマとするシンクタンク、リクルートワークス研究所所長の大久保幸夫氏に、転換期を迎え、企業において今後の施策が緊急視されている人材マネジメントに関し、さまざまな角度から語ってもらう。 「ワークライフバランス」が、 日本で「女性活用」に結び付けられた「理由」 少し前の好況時には、「ワークライフバランス」という言葉が一種の流行語のように人事部門に浸透しました。もともとワークライフバランスという言葉はイギリスで使われ始めたもので、労働時間の短縮を個人の事情に合わせて「さまざまな方法で選択できるようにする」ことが原点となっています。 しかし、日本での文脈は、どちらかというと「時短というよりは育児と仕事の両立支援」としての色合いが濃いようです。少子化問題が社会問題となり、企業にプレッシャーを与えたことも背後にはあるでしょう。そのため、日本のワークライ