父親は物凄く怖い人だった。 当時、地元で幅をきかせていた傷ありの人達にも真っ向から突っ込んでいき、公務員として今では考えられない様な立ち回りを何度もこの目で見てきた。そんな影響もあり、思春期真っ只中でも父親にだけは怒られ無いよう(会わないよう)に心がけていた。 学校にも行かず明け方まで遊び回ってはバカなことを繰り返す生活が数ヶ月続いた頃、その時はやってきた。時刻は明け方の4時、翌日も仕事である父親は寝ているハズの時間。玄関を開けるとそこには父親が立っていた。 若さで勝るとは言え、所詮は身体の出来ていない中学生。骨の1本や2本は覚悟した。 思春期の息子に対する父親の教え 玄関を跨いだ瞬間、殴られると思っていた息子に飛んできたのは拳では無く、言葉だった。 「友達は選びなさい」 その一言だけを残して寝室に戻ろうとする父親に対して、殴られなかった安堵感よりも友人をバカにされた怒りが先行した息子は物
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