ある大学の先生から聞いた話である。専攻はマーケティング。 ある時その先生の師匠と、議論になった。師匠は齢70になろうかという大家である。 話の内容はマーケティングのモデルの有効性のようなものだったらしい。たしかに、モデルというのは山ほどあるけれど、それが実際の市場で通用するかしないかは議論の対象になる。 経営学のような社会科学では避けられない話なわけで。もっとも理論だけ教え込んでそのまんま、という先生もまだまだいるので、適用性の議論になること自体、実は稀だったりするのだけど。 で、ひとしきり話の後で、この師匠はひとこと漏らしたそうな。 「でもね、○○君。人の気持ちなんていうのは分からないものだからね」 いや、それはそうなんだろうけど、じゃあマーケティングって、結局何なのだろう、という話にはなってしまう。そりゃ、人の心は分からないけど、だったらリサーチしても意味はないし。 でも