●米国では捜査機関のスパイが標的を犯罪謀議に引き込む罠が横行。 ●私の取材対象だったイスラム教徒が「共謀罪」で逮捕された。 ●“共謀罪”成立後、捜査手法の拡大の動きが出るだろう。 米国の共謀罪 “共謀罪”・テロ等準備罪が国会で審議入りした。周知の通り犯罪の計画に合意した者を処罰する罪だ。反対が根強い“共謀罪”、いったい捜査ではどう使われるのだろうか。賛否を語るには、現場を見る必要がある。 米国には古くから「共謀罪」が存在し、捜査で幅広く使われている。実は私の取材対象だったニューヨーク州オルバニー在住のイスラム教徒2人も、この共謀罪でFBIに逮捕された。 事件の概要はこうだ。ピザ屋を経営するモハメド・ホサイン(バングラデシュ移民)は店に客として来た、マリックなる男と親しくなった。マリックは裕福な男だった。店に来るたびにホサインの子供たちにお土産を渡した。そしてピザ屋経営に資金援助をするように