逃亡できないようパスポートを取り上げられ、気温が50度にも達する炎天下の砂漠で長時間働かされる。反抗すると殴られ、食事も与えられない。調査報道した英紙ガーディアン(電子版)は「現代の奴隷制度」と断じた。劣悪な労働環境…4千人犠牲 酷暑を避けるため開催時期の冬季移行が検討されるなど、物議を醸している2022年ワールドカップ(W杯)の開催国、カタールでの出来事だ。豊富な地下資源で潤うカタールでは、W杯に向けた大規模な建設事業がめじろ押しで、工事現場では、ネパールやインド、スリランカといった国からの出稼ぎ労働者が多く働いている。 同紙の記事によると、劣悪な労働環境の下、ことし6月4日から8月8日までの間に、少なくとも44人のネパール人労働者が死亡。世界中で約1億7500万人が加盟するとされる国際労働組合総連合(ITUC)も「キックオフ前に、少なくとも4千人が犠牲になる」と警告を発した。ブローカー