【カイロ秋山信一】イスラム過激派組織「イスラム国」とみられるグループが日本政府に人質2人の身代金を要求した事件で、2人が消息を絶ったシリア北部アレッポ周辺で昨年以降、通訳やガイドを装って外国人に近づき、イスラム国に売り渡す誘拐仲介ビジネスが横行していることが22日、反体制活動家への取材で分かった。人質になったジャーナリストの後藤健二さん(47)は友人に「同行ガイドに裏切られた」と話しており、取引の材料にされた可能性もある。 【ガイドに裏切られた】後藤さん、トルコ知人に連絡 ◇外国人所在、イスラム国に密告…シリア北部 複数の反体制活動家によると、アレッポ周辺では2013年ごろから、イスラム国や国際テロ組織アルカイダ系「ヌスラ戦線」など米欧諸国を敵視する過激派が勢力を拡大し、米欧の記者や人道支援活動家を拘束する事例が増えた。人質の出身国から身代金を得たり、イスラム国のように広報宣伝に利用し