「死して復活する神」というキリスト教のイエス像は、ユダヤ的伝統からだけでは生れ難いもので、そこにはオリエント・ギリシャの秘儀宗教からの影響もありました。 キリスト教は信仰だけではなく、「洗礼」と「聖餐」という秘儀(秘跡)を行うことによって救われると考えました。 また、一部の秘教的なキリスト教では、他にもこの2つ以上に重要な秘儀があったようです。 「塗油」、「洗足」、「聖婚(花嫁の部屋)」、「救済」などです。 これらの秘儀には秘儀宗教の大きな影響があります。 キリスト教の水を振り掛ける儀式である「洗礼」の背景には秘儀宗教の影響を考えることができます。 ゾロアスター教の影響を受けたユダヤ教のクムラン教団は、水槽に浸かる毎日の沐浴を行っていました。 洗礼者ヨハネは川の流水に浸かる一度きりの洗礼を行っていました。 ユダヤ的に考えれば、これらはノアのように洪水を生き延びて浄化されることを意味するので