低線量の被曝でも白血病のリスクがわずかに上昇することが、30万人以上の原子力産業労働者を対象とする大規模疫学調査により示された。 米国で盛んに行われている腹部CT。 Credit: semakokal/istock/thinkstock 研究者らは数十年にわたり、低線量放射線被曝のリスクを定量化しようと試みてきた。低線量放射線とは、放射線検査を受ける患者や医療従事者、2011年に事故を起こした日本の福島第一原子力発電所から数十km圏内で暮らす人々などが受ける程度の電離放射線(原子や分子から電子を引き離し、DNA鎖を切断することができる放射線)のことである。低線量放射線が健康に及ぼす影響は非常に小さく、あったとしても、辛うじて検出できる程度である。このほど、長期にわたる低線量被曝が白血病のリスクをわずかに上昇させることが、国際的な大規模疫学調査によりはっきりと裏付けられた。この成果は、7月2