プロの将棋棋士とコンピュータソフトが5対5で戦う「電王戦」は、4月12日に第5局が行われ、人間側の1勝4敗に終わった。第3回目にして早くも存在意義に疑問の声があがっている「人間対コンピュータ」の戦いだが、将棋界には、こうなることを早くから プロの将棋棋士とコンピュータソフトが5対5で戦う「電王戦」は、4月12日に第5局が行われ、人間側の1勝4敗に終わった。第3回目にして早くも存在意義に疑問の声があがっている「人間対コンピュータ」の戦いだが、将棋界には、こうなることを早くから予見していた棋士がいた。かつて将棋雑誌で編集者をしていた作家の大崎善生氏が、そのエピソードを綴る。 * * * 1996年に、日本将棋連盟が発行している将棋年鑑が、全棋士アンケートとして「コンピュータが人間に勝つ日は来るか」という質問をした。 当時のコンピュータはまだ将棋をきちんと指せるようになって間もないころで、アマチ