「予算の前ふり」に役割は低下――。 政府は6月27日の臨時閣議で、「骨太方針2008」を決定した。いまさら説明するまでもないが、この骨太方針は政府の経済財政運営の方針を示す文書で、小泉政権時代の2001年に初めてつくられたものだ。それ以後、首相を議長とする経済財政諮問会議が毎年6月前後に策定、次年度の予算に反映させている。 筆者はこのネーミングの語感がいまひとつ好きになれないが、福田首相も、別の理由でこの名前が嫌いではないだろうか。「骨太」という言葉が重荷になっているように感じて仕方がない。閣議決定までの経緯と中身を報道で見る限り、「骨太方針」は、印象として予算交渉の“前ふり”程度のものに後退しつつある。すなわち、この方針に書き込んでおくことが後の予算につながるという前提で、予算の事前協議的な話し合いを行うだけの場になっている。今や、「骨太方針」に、将来の経済政策をリードするというニュ