■ 消費税増税に片が付いたとなれば、次に来るのは、TPPへの対応であろう。 保守主義思潮の祖とされるのは、エドマンド・バークのフランス革命批判だが、バーク自身は、ホイッグ党所属の政治家だった。今、保守主義思潮が認知されつつあるので、バークの『フランス革命の省察』を読んだ人々は増えているかもしれないけれども、それを読んだ程度では、「保守主義」の感性が判るわけではない。『フランス革命の省察』を「聖典」のように扱う姿勢に至っては、噴飯の沙汰でしかない。むしろ、バークの思想よりも、一八三〇年代以降、トーリー党から保守党に脱皮した後の保守党宰相の事績を振り返る方が、有益である。 19世紀、 英国保守党から出した宰相は、次の四人しかいない。 ⅰ サー・ロバート・ピール /1834 –1835、1841 –1846 ⅱ 第十四代ダービー伯爵、エドワード・スミス=ス