写真を示し、撮影当時の状況を語る樋口さん。手前は、70年代に福島第1原発で働き、病床にふせる故佐藤茂さんの写真=東京都内の自宅で9日、津村豊和撮影 ◇やっと被ばくに焦点--フォトジャーナリスト・樋口健二さん 原発下請け労働者の被ばく問題を約40年間取材してきた自称「売れない写真家」。フォトジャーナリストの樋口健二さん(74)が福島第1原発の事故以降、注目を浴びている。作業員の労働実態を知る数少ない「証言者」として、国内外のメディアから取材が殺到、品切れとなっていた著書も続々と復刊されている。東京都内の自宅兼仕事場を訪ねた。【大槻英二】 <白いゴムガッパのような服着て、防毒面(全面マスク)をし、万年筆のようなもん(ポケット線量計)と、バッジ(フィルムバッジ=被ばく放射線量測定器)、音の出るもん(アラームメーター)を首から吊(つ)り下げて、まるで、宇宙人のようじゃった> これは34年前、樋口さ