カダフィ氏が戦死したらしいと報道されているが、銃撃戦に巻き込まれたとか、負傷しているところを捕らえられて殺害されたとか、情報は錯綜している。 彼が死亡したとしても、彼はもともと波乱の人生を自ら選択したのだ。また、七光りでもないのに二十代で国の頂点に上り「明るい炎は早く燃え尽きる」という格言に反して四十年以上も君臨してきたし、その異例な長さにしては、晩節を汚さずに済んだのは殉教者となったからで、後はゲバラのようにTシャツとなるだろう。 ベドゥィン遊牧民を率いてファシスト党政権イタリアと戦い、捕まって絞首刑にされたオマー=ムクター(享年73)は、自分が死んでも後の世代が続くので「私は殺されることで寿命をのばす」と言い残したが、これと同じことである。傀儡政権が出来たリビアは、イラクやアフガンのように混乱するだろうと言われてきたが、そこではムクターとカダフィの肖像を掲げたデモが発生するだろう。 ま