67年前に終戦を迎えたこの日、まずは、手元にある戦争体験記録集を紹介する。新潟県十日町市の婦人学級グループ「ゆずり葉」がこの夏にまとめた「戦争の記録 語り継ぐあの日あの時」という冊子である。戦中の食糧難から空襲、引き揚げ、抑留、戦闘体験まで、人々と戦争との関わりが346ページの大部にあますところなくつづられている。 例えば、終戦の日をどう受けとめたのか。大津直枝さんの場合はこうだ。正午からの玉音放送を聞くため分校に約30人の住民が集まり、村で1台しかないラジオを囲んだ。 ◇等身大の戦争伝える 先生の「天皇陛下のお言葉だから皆緊張して聞くように」との指導の下、耳をすませるのだが、ガーガー雑音ばかりで内容がつかめない。隣のおばあさんに「何を言われたんだべか」と問われ、返答に困った大津さんが「国民も我慢して戦争のため頑張ってほしい、だって」と答えた。先生も含め30人の中で大津さんの説に異を唱える