広島市の松井一実市長は1日、「原爆の日」の6日に平和記念式典で読み上げる「平和宣言」の骨子を発表した。核兵器を「絶対悪」と位置づけ、早期廃絶を強く求めるとともに、東日本大震災の被災者の思いに寄り添い、応援し続けることを伝える。原発問題に関しては政府に国民の暮らしと安全を最優先にした責任あるエネルギー政策を早期に構築、実行することを求めると表現し、今年も「脱原発」にはふれない。被爆者5人の体験談を盛り込む。 宣言では「広島は日本国憲法の掲げる平和主義を体現する地であり、人類の進むべき道を示す地」と明言。世界の為政者に対し広島訪問と、信頼と対話に基づく安全保障体制への転換を要請し、北朝鮮の非核化や北東アジアの非核兵器地帯の創設に向けた関係国の努力を求める。 また、差別や偏見などによる苦しみを乗り越えてきた被爆者の体験を紹介。できるだけ理解しやすい表現で、若い世代への継承を意識したとしている。