3月FOMC直前のブラックアウト期間に、シリコンバレー銀行(SVB, SIVB)の破綻が金融システムを震撼させた。話題になり始めてから一週間以内に資産規模で全米16位であったSIVBは破綻した。2008年のワシントン・ミューチュアルに続く大型破綻となった。シリコンバレー近辺の生態系との関係については詳しい人間に譲るとして、本記事ではマクロ環境と金融政策への影響を中心に取り上げる。 SIVBの栄枯盛衰 2021年のIPOバブルをきっかけにSIVBのバランスシートは爆発的に拡張した。圧倒的な金余りを背景にシリコンバレーのスタートアップにVCファンドなどからの投資資金が集中したが、その多くはSIVBに預けられた。VCファンドの投資が着金するまでのブリッジローンや、自ら貸したベンチャーデットを両建てで預金してもらっていた。急増した預金をSIVBは米国債やMBSなどの債券で余資運用していたが、202
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