量子力学の不思議[1]原子はなぜつぶれないのか 「中心に原子核があり、その周囲に電子が動いている」という原子像が明らかになったのは、1910年頃の話である。しかし、その当時知られていた物理法則(とくに電磁気学)にもとづいて考えてみると、電子が原子核のまわりを動いているということ自体が、きわめて不思議であり、不自然な現象だった。 何か重いものが中心にあり、その周囲を軽いものが動いているという描像からすぐに思い浮かぶのは、太陽と惑星の関係である。太陽系では、太陽を中心とし、その周囲をいくつかの惑星がまわっている。ではこれと同様に、電子も原子核の周囲をまわっているのだろうか? しかしその当時知られていた物理法則を信じるかぎり、そんなことは不可能であることがわかっていた。その理由を簡単にいうと、電子は動くと「電磁波」というものを放出し、勢いを失って原子核に落ちこんでしまうと考えられるからである。
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