スーパーやコンビニの店頭で「濃厚」の文字がやたらと目につく昨今。カレー、シチュー、ラーメン、スナック菓子など、ジャンルを超えて「濃い味」ブームはすっかり定着した。しかし、いつかは飽きられてしまうのが“味”の宿命だ。「濃い」の次に来る味トレンドは何か? 味覚分析の専門家や商品開発の現場の担当者の解説も踏まえて探ってみた。 そもそも流行している「濃い味」とはどういう味なのかを知るために、味覚を定量的に解析するセンサーを開発した慶応義塾大学の鈴木隆一研究員のもとを訪ねた。鈴木氏は大学内ベンチャー企業「AISSY」の社長でもある。 鈴木氏によれば、味は、甘味、塩味、酸味、苦味、旨味の5つの基本的な要素に分かれる。辛味については痛覚や触覚に近く、味の要素には入らない。これらをヒトの舌に感じさせる成分は「呈味成分」と呼ばれる。 「塩味は食塩、酸味なら有機酸などが呈味成分です。甘味の呈味成分である糖には