デニズさんは、迫害を逃れ2007年に来日した。これまで複数回難民申請をしており、現在も申請中だ。東日本入国管理センター収容中に職員から暴行を受けたなどとして、デニズさんが損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁はこの日、職員の行為の一部を違法と認め、国に22万円の支払いを命じた。 2019年1月、デニズさんは睡眠薬を求めたものの拒否されたため抗議する。その後、7人前後の入国警備官が入室し、デニズさんに移動を命じた。当時の映像を確認すると、デニズさんは後ろで手錠をされ、抵抗できない状況にさせられた上、ひとりの警備官があご下の「痛点」を押し、「痛いか?!」などと大声で迫っている。「痛い!」とデニズさんの顔は歪んだ。激しい苦痛を与えていることは一目瞭然だった。判決はこうした暴力行為を、合理性も必要性もない「違法」なものだとした。 代理人を務める大橋毅弁護士は「正当な抗議を黙らせるためにさらに暴行を