米議会の諮問機関である米中経済安保調査委員会が今年の年次報告書を発表しました。本報告書は米太平洋軍やランド研究所などのシンクタンクや大学の研究者からの聞き取り調査に基づいて中国の最新動向が分析されており、現状を概観する上でとても役に立つものです。取り立てて目新しい情報があるというわけではありませんが、いくつか興味深い個所もあります。中でも第2章の「領域支配軍事戦略(Area Control Military Strategy)」については、中国の軍事戦略を追っていく上で、考え方の基礎としておくべきコンセプトなのですが、劉華清提督やその戦略思想の師・ゴルシコフ提督の系譜を色濃く反映しています。 中国の軍事戦略は、3つのテーマに分類される。 敵の技術的優位を低下させる。イニシアティブをとるために先制攻撃を優先する。中国の周辺、特に西太平洋のコントロールに重点を置く。 中国の軍事戦略は、これまで
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