「問題点を指摘したにもかかわらず、(インテックは)適切な措置を講じることなく、システムの完成が不可能になった」。三菱食品は2018年11月、システム開発の失敗を巡り委託先のインテックを東京地方裁判所に提訴した。 三菱食品は訴状で冒頭のように述べ、ITの専門的な知識と経験を持つインテックに重大な過失があると主張した。損害賠償請求額は127億円と、勘定系システムの開発失敗を巡るスルガ銀行と日本IBMの裁判の当初請求額を上回る。 裁判の争点は、インテックにシステムの完成義務があったか、プロジェクトマネジメント義務に違反する事実があったか、などになりそうだ。三菱食品が東京地裁に提出した訴状とインテックの答弁書を基に一連の経緯を追う。 事の発端は2014年1月まで遡る。三菱食品は3000社の取引先とつながる「企業間EDI(電子データ交換)システム」の刷新プロジェクトを企画。RFP(提案依頼書)を複数
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