日本の財務官僚の間で今、静かなブームになっている本がある。「帳簿の世界史」。南カリフォルニア大学・ジェイコブ・ソール教授の近著で、ルネサンス期のイタリアからリーマン・ショックまで、700年に及ぶ財務会計の歴史をたどった力作だ。 700年の帳簿の歴史に照らして、アベノミクスで異次元緩和を続ける現代日本はどう見えるのか。ソール教授に聞いた。 (聞き手は大西康之=編集委員) 本の冒頭に革命前夜のフランスが出てきます。絶対的な権力を握ったフランスのルイ14世はコルベールという財務総監が複式簿記で書いた帳簿を持ち歩くほど財務に熱心だった。 しかしコルベールの死後、ルイ14世は帳簿への関心を失い、フランスは財政破たんへの道を歩き始める。それがフランス革命につながったと指摘しています。こうした歴史に照らし、世界一の債務を抱えた今の日本をどう見ますか。 ソール氏:先進国は巨額の国債を発行しても、何とか財政
![アベノミクスは世界史上、類を見ない試み:日経ビジネスオンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1eea8a452839dcb6e1225560350f569669bde38f/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbusiness.nikkeibp.co.jp%2Fatcl%2Finterview%2F15%2F230078%2F070300002%2Fsns.jpg)