数学書と言えば、定理の説明とその証明の組み合わせが続く如何にもと言う内容のものが典型だが、定理が導き出されるまでの模索について説明されることは少ない。学術史的に動機が説明される事はあるが、数学者がどのような試行錯誤を行なっているのかは、大学院に進学して教員に指導されてみないと中々見えない世界であろう。 『定理のつくりかた』は高校生に数学研究の進め方、考え方を説明した公開講座の内容を膨らませた本で、著者の数学研究の方法を中学校で教わる範囲の数学を例に説明してくれる。著者は自分の研究の進め方が普遍的なものとは限らないことを注意喚起していたが、褒める数学者はいても、疑念を挟む数学者はまだいないようなので、少なくともオーソドックスな方法の説明になっていると思う。 学習教材としてみると、証明問題の解き方の本になる。問題と言うか命題を理解し、証明をしていく道筋を模索する方法が説明されているので、証明問
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