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若い頃、会社の先輩が「日本経済新聞をスミからスミまで読め」と言っていたのを鵜呑みにして、何年も実践したことがありますが……、よく分からなかった。 たとえば、ある日の第1面に「円安は日本経済にダメージを与える」とあって、何ページかめくると、「この円安は奇貨となる」と書いてある。「どっちやねん」と投げ捨てたことを覚えています。 今なら、円高にも円安にもメリット/デメリットがあることが理解でき、くだんの記事は、「ピンチをチャンスに」という意味あいで書かれたものだと汲み取ってあげることはできる。でもどこかに無理があるように思える。 読書猿:今回の経済学対談では、私なりの悪口を言いながら(笑)Dainさんに経済学と和解してもらいたいなと思っています。そもそもですが、経済学が嫌われる理由の根本は、この学問が実は「倫理学」を出自とするところにあるのではないか、と思うんですよね。 Dain:出自が倫理学。
ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち (集英社新書) 作者:レジー集英社Amazon Kindle版もあります。 ファスト教養 10分で答えが欲しい人たち (集英社新書) 作者:レジー集英社Amazon 【「教養=ビジネスの役に立つ」が生む息苦しさの正体】 社交スキルアップのために古典を読み、名著の内容をYouTubeでチェック、財テクや論破術をインフルエンサーから学び「自分の価値」を上げろ───このような「教養論」がビジネスパーソンの間で広まっている。 その状況を一般企業に勤めながらライターとして活動する著者は「ファスト教養」と名付けた。 「教養」に刺激を取り込んで発信するYouTuber、「稼ぐが勝ち」と言い切る起業家、「スキルアップ」を説くカリスマ、「自己責任」を説く政治家、他人を簡単に「バカ」と分類する論客……2000年代以降にビジネスパーソンから支持されてきた言説を分析し、社
鳥取県の有害図書指定を理由に書籍3冊がAmazonで販売停止されたことを受け、出版元の三才ブックスが県やAmazonとのやりとりを公開。ネット上で物議を醸しています。 三才ブックスは指定理由の明確化を求め、県に対し有害図書を審議した議事録を求めましたが、返ってきたのは「会議概要」のPDF1枚のみ。不透明なプロセスに対し、「鳥取県で本を販売することが、もはやリスクといえる事態」と抗議しています。 (ラジオライフ編集部のTwitterアカウントより) 有害図書指定され、Amazonで販売停止されたのは、『アリエナイ医学事典』、『アリエナイ工作事典』、『裏グッズカタログ2022』の3冊。 有害図書指定された3冊(三才ブックスのWebサイトより) 有害図書指定は通常、自治体の管轄内でのみ効力を発揮するもの。ところが鳥取県では2021年10月、兵庫県宝塚市で2020年に起きたボーガンによる殺傷事件を
この連載は在野で学問に関わる人々を応援するものだ。 第7回は、ブロガーの山下ゆさんに話を聞く。新書ブログ「山下ゆの新書ランキング」は、新書業界においては知らぬものがいない。まさに「新書の目利き」として知られている人物だ。かく言う私も、本屋に行った時に「この本、そういえば山下ゆさんが9点って言ってたなぁ」と、新書を買ったことが何度もある。 ブログは2005年2月から、2022年現在まで週に1本のペースで更新されている。政治経済や思想、歴史に関する新書から1冊を取り上げ、山下さん自身による10点満点の採点と、5000字以上にも及ぶ新書の丁寧な要約と書評を掲載する。 プロフィールの欄には「通勤途中に新書を読んでいる社会科の教員です」とある。 在野研究を考える上で、教員の存在は重要だ。例えば郷土史や生物分類学・生態学の分野では、地元で働く先生たちが研究者となり、大学や博物館と連携しながら、その一端
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