「パルテノンも、インドの寺院も、教会堂も、正確な尺度で建築されたということ。一定の規則に従い、連絡ある系統をなし、根本的な統一さえ認めているところの尺度である。また高度の文明をもった古代エジプト、カルデア、ギリシャ等々も、構築を行ったゆえに測定もしたのである。いかなる道具を用いたであろうか? それは永久に変わることのない道具、しかも貴い道具であった。(中略)単刀直入にいうならば、人体各部の寸法から出発したものなのである。(中略)それは限りなく豊かであり、微妙さを持っていた。(中略)史前の道具であったと同時に、現代においても人間の道具なのである。*1」 これは建築家ル・コルビュジエの『モデュロール』の冒頭に書かれている言葉である。人類は古くから、腕や足、身長など人体の長さを基準として、様々なものを作ってきた。人体の寸法からものや道具を作ることは、扱う対象である人体と馴染むため、ごく自然な流れ
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