(前回から読む) 1918(大正7)年8月12日、神戸川崎町の鈴木商店本店は、二万人の大群衆に取り囲まれた。 青天井で高騰する米価の前に民衆の怒りは頂点に達していた。働けど、働けど暮らしは楽にならない。富山から始まった「米騒動」は、神戸に波及し、鈴木商店が、その標的にされたのだった。 「米買占めの元凶、鈴木を焼き払え!」 「米の値段を釣り上げる悪徳商人を懲らしめろ!」 と、群衆は投石で窓ガラスを割り、その窓から侵入した男が火を放った。天を焦がす紅蓮の炎に民衆は猛り狂い、鈴木本店は瞬く間に焼け落ちた。 じつのところ、鈴木は米を買占めるどころか、政府の意向に沿って米価を下げるために外米をひたすら輸入していた。東南アジアや朝鮮から運び込まれた米は、安値で市場に放出された。 かたや三井物産は、息のかかった米商人を使って買占めた。子飼いの商人をダミーに使い、三井物産は、騒動に高みの見物をきめこんでい
都営地下鉄と東京メトロの一体化・24時間運行を考える 「目からウロコ」の第2回で羽田空港の24時間稼働が必要な理由を説いた。そのときに、周辺のインフラ整備として、鉄道の24時間運行にも触れた。今回はその意義についてさらに掘り下げたいと思う。 羽田空港の24時間稼働を実現させるには、空港までの移動手段である地下鉄やJR、私鉄の24時間運行も必要になる。いきなりすべての路線、会社で24時間運行という話ではないが、運転時間の延長などの協力がなければ羽田空港の24時間稼働は実現できない。 ニューヨークの地下鉄は既に24時間運行だ。日本の鉄道も、大みそかから元旦にかけては終夜運転を実施している。24時間運行することに、技術的な問題はない。 鉄道の運行時間に関して、興味深い事実を示そう。現在の山手線の始発は4時26分。ストップするのは深夜1時14分だ。しかし、昭和5年(1930年)の山手線の始
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