30年間、ばんえい競馬のトップジョッキーとして活躍した西弘美騎手(50)が12月末で引退し、新年から調教師として新たなスタートを切る。また、地元・帯広市出身の厩務(きゅうむ)員渡来心路(わたらいこころ)さん(20)は騎手試験に合格し、来年1月に初騎乗する。ベテラン騎手の引退と新人騎手の誕生。立場は違うが、2人は「これからもばんえいを盛り上げていきたい」と、口をそろえて意気込みを語っている。(片山由紀) 西さんは岩手県出身。1980年に初騎乗し、これまで数々の重賞レースを制覇してきた。中でも最高峰レース、ばんえい記念では昨年度、名馬トモエパワーで2連覇を成し遂げ、観客を沸かせた。通算成績は21日現在、2476勝で、現役選手では3位をマークする。 引退は数年前から考え始めたといい、「30年の節目に、区切りを付けようと決めた」と胸の内を明かす。長男で2年前に騎手デビューした謙一さん(23)が成長