2012/9/49:0 選挙制度はどう改革されようとしていたか 大屋雄裕 ■多数派支配の限界 Synodos Journalにおいて、いわゆる尊厳死法案の問題が数人の論者によって取り上げられていた。私にはその問題について知見も特定の意見もない。ただ、本人の望まない死が強制されるようなことは望ましくないと考える一方、「生命への権利」をどれだけ擁護しても「冷たい方程式」のような極限事例において生への可能性を規定するのは《どれだけの資源があるか》であり、相対的な多数を生き延びさせるために少数派に死が迫られることもあり得るだろうと思うだけである(もちろん現代日本社会がそのような極限的状態にあるとはまったく考えていない)。 私に言えるのはただ、仮にそのような決定が必要な状況があったとき、《誰が死ぬか》をむき出しの暴力が決めるよりは、民主政プロセスに委ねられた方が「まだまし」だろうという程度のことであ