「美味しんぼ」の和歌山県篇の原稿を必死になって書いていたら、沖縄の「あ」から電話がかかってきた。 「おい、WBC見ているか」 「え、見てないよ」 「何だよ、お前韓国の監督の態度はフェアーじゃないなんて書いておきながら、見ないのかよ」 「いや、どうせ韓国に勝てっこないし、原稿も一杯一杯でな」 「ふうん、今、2点差で日本が勝ってるよ」 「どうせ、逆転負けするさ」 「あ、今一点入れられた。一点差になっちゃった」 「ほらな」 「じゃ、最初のところを見てないな」 「何かあったの」 「開会式のセレモニーでさ、国旗掲揚とか国歌斉唱とかするだろう。その時の日本の選手たちの態度が実にだらしないんだ。 ガムなんかくちゃくちゃ噛んでさ、だらだらしてんだよ。 それに引き替え韓国の選手たちは、姿勢はぴちっとしてるし、実に引き締まった、礼儀正しい態度なんだ」 「ガムかあ」 「おれ達が子供のころ学校でガム噛むなんて許さ