2024年7月18日、前田さんの新著『愛されるデザイン』(幻冬舎)が発売となりました。 前田高志の新刊『愛されるデザイン』 そこから、遡ること約2ヶ月前のこと。『愛されるデザイン』の追加原稿のため音声を届けるメディア・Voicyの「ちょっとデザインが好きになる話」にて、公開取材を行いました。 すでにひと通りの章は書き終えていたものの、「クリエイティブジャンプの話を追加したい!」と前田さんたっての希望で、急遽行われたこの取材。 結果的に、非常に濃ゆい内容の取材になったものの、その内容すべてを『愛されるデザイン』に収録するにはボリューミーすぎました。 そこで、この記事では、著者前田さんと、本書ブックライターのNASU浜田さんの取材を対談形式で再現し、『愛されるデザイン』の理解を深める裏話として、みなさんにお届けします。 こんな方にオススメです! ✅課題解決はしているけど、もっと面白いデザインを
Takramが大切にしている考え方のひとつであり、メタファーでもある「振り子の思考」。振り子の思考がどのような背景から生まれ、なぜ大切にしているのか。代表の田川欣哉に、Culture&Relationsの相樂園香が聞きました。 こちらの内容は、Takram Castでもお楽しみいただけます。 相樂園香(以下、Sandy) いま私たちがつくっているTakramの「カルチャーデック」のなかに出てくる「Takramの振り子」の考え方がどのような背景から誕生して、なぜTakramが大切にしているのかというところからうかがいたいと思います。 田川欣哉(以下、田川) 今年(2021年)のTakramは、Sandyがジョインしたのを機にCulture&Relations(C&R)というモジュールが立ち上がったり、コロナ禍もあって自分たちのカルチャーを見直していこうというムードになっているよね。一昨年から
本コラムの3回目となる今回から、さまざまな領域の方にAIについて聞いていきます。1回目は、Dentsu Lab Tokyo / Dentsu Zeroのクリエイティブディレクター 田中直基さんにインタビューしました。 聞き手:石川隆一(電通デジタル) ポジとネガ、その両面を持つAIのいま 石川:僕はいま電通デジタルという会社に所属し、AIに取り組んでいます。AIと言っても、仕事で関わるものは主にバナー広告やリスティング広告。こうした広告ではバナーの色や文言をユーザーに合わせて変えていくわけですが、いまは過去のデータからAIがサジェストしてくれるようになっています。でもAIに言われた通りに出稿を続けるうちに、自分の中でクリエイティブの面白みが半減したような気持ちになってきました。 これまではバナーをどういうデザインにするか、どう変えていくかと悩みながらつくっていて、最終的な表現にはどこか人間
日本においても細かな傾向は違えど学歴を重視する傾向がある。高校や大学のみならず、中学校受験のために小学生の早い段階から塾に通う子どもが都市部を中心に過熱化している。そのため、低年齢の段階から学校の授業よりも塾での学習を重視する子どもや両親が増えている。 塾は受験に役立つための学びが主である。1年先や数年先を見据えた目的に向かうという意味では、塾はインストルメンタルな機能を持っているが、入学後やその後の人生の中での学びという範囲で捉えた場合、塾はいい学校に入るための即時的な充足のためのコンサマトリーな機能であるといえる。 つまり日本では、受験競争が過熱化していることにより、人生の中で小学生・中学生・高校生の学びがコンサマトリーな機能に偏っているのではないか、と考えることができる。そして現在、その需要を満たしているのは塾であり、学校に対する社会的な期待がゆらいでいる。 2. 高偏差値の学校で学
はじめまして。電通デジタルの石川隆一です。 誰や。と思われている方もいらっしゃると思うので、少し僕のことを紹介させてください。 元々はレコード会社で働いており音楽畑出身なのですが、趣味である将棋の電王戦という大会で当時の佐藤天彦名人がAIに負けた、といったニュースを見てAIに興味を持ち独学で勉強を始めました。KaggleというAIのコンペティションにて入賞した後、AIエンジニアやプランナーとして、電通デジタルに異業種転職をしました。 そんな僕がなぜコラムを書こうと思ったかというと、近年クリエイティブ領域においてもAIを用いた表現は増えてきましたが、一方でAIエンジニアでもある僕はそんなAIが溢れかえった広告領域に少し違和感を覚えているからです。皆さんの中にもAIに対して懐疑的な方は多いと思います。そんな皆さんに僕の考えをお伝えできればと思っています。 将棋人気の復活の背景にあるのは、AIと
レフィーク・アナドール作品に見る、人間とコンピュータ・システムとのあいだに生まれる新たな意識──AI研究は50年代に遡ることができますが、2022年12月にChatGPTが登場したことで、大規模言語モデル(Large Language Model, LLM)を用いたAIが一般的にグッと身近になり、ビジネスシーンや社会インフラの面でも、大きなインパクトを与えるものになりました。すでにヴィジュアルに関しては、テキストから画像を生成するDALL-E2やMidjourneyが2022年にリリースされていて、イラストレーターやアーティストの仕事はAIに取って代わられることもあり得るのではないか、といった不安も広がっています。 TABでは「AIとアート」という特集を組むにあたって、現在の状況を概観するような記事を作りたいと思い、久保田さんにお話を聞かせていただくことにしました。まず、AIとアートに関し
普段生活する中で直面するさまざまなルール。明確に表記された道路標識から、満員電車ではリュックを前に抱えるといった暗黙の慣習まで、社会はルールに形づくられ、私たちは日々その中で日常を過ごしている。当然従うべきものとして存在しているルールの中で、どのような遊びが現実的で、一体どのように遊べば楽しいのだろう? コグニティブデザイナー・菅俊一さんと、遊びについて綴られた名著『プレイ・マターズ 遊び心の哲学』の訳者である美学者・松永伸司さんに、「遊びとルールの関係性」について言葉を交わしてもらった。 (この記事は2023年7月20日(木)に発売された『XD MAGAZINE VOL.07』より転載しています) はみだす? ギリギリを攻める? 対談を始める前に、お二人の活動について補足したい。まず、菅俊一さんは、人間の知覚能力にもとづいた「コグニティブデザイン」を軸としながら、問題設計や新しい表現に取
2023年6月、くりや株式会社は子会社としてCanalo(カナロー)株式会社を設立しました。その新会社の代表に就任したのが翠川裕美(みどりかわ ひろみ)さん。これから栗岡と翠川さん、両者が持つ異なるバックグラウンドを活用し、新たな事業を始めます。スタートのタイミングでのご挨拶も兼ねて、二人がCanaloを立ち上げた理由、そしてCanaloで目指したい未来について対話しました。 子会社設立及び新事業開始に関するお知らせ (リンクはこちら) 翠川裕美(みどりかわ ひろみ)さん 1981年東京都生まれ。2004年に慶應義塾大学環境情報学部卒業後、株式会社スマイルズに入社。2008年に株式会社イデーへ入社し、宣伝販促室にてブランド全体の販促企画を担当。2013年に企画、販促プロモーション、デザイン、アーティストマネジメントなどを事業とする株式会社シロアナを設立。2016 年に株式会社モンキーブレッ
料理における「創造」とは。世界中の美食家が訪ねるペルーのレストランで2年間はたらいてわかったこと:文化人類学者・藤田周 世界各地の高級レストランに見られる「現代料理」。 レストランの位置する場所における、自然と文化の前衛的な解釈を試みる料理のことだという。 そんな現代料理を文化人類学の観点から研究するのが、東京外国語大学特任研究員で東京大学博士課程の藤田周さん。 藤田さんは、ペルーの世界的な現代料理レストラン「セントラル」(編注:2022年に世界のベストレストラン50で第2位、南米のベストレストラン50で第1位を獲得)などで約2年間、見習いとして働きながらフィールドワークを実施。料理人たちがどのように料理に取り組んでいるかを調査した。 一見すると洗練されたハイカルチャーのようにも映る現代料理だが、そのあり方を見つめることで、「家庭料理などの一般的な料理の見え方が変わる可能性も秘めている」と
近年、デジタルデータでありながらも固有性を持つNFT技術が、新しいアートのプラットフォームとして大きな注目を集めている。NFT作品が高額取引されたことで投機的な話題が盛り上がりを見せるが、そのフィールドで活躍するアーティストやそのシーンの動きについては、なかなか全体像を捉えにくい。2000年代よりオルタナティブカルチャーの最前線を捉え、昨年、NFTをめぐるアーティストの実践をまとめた『THE NEW CREATOR ECONOMY』(ビー・エヌ・エヌ、2022)を刊行したデザイナー/編集者の視点から見えたものとは。 ●デジタルテクノロジーと表現の民主化 デスクトップ・パブリッシング(DTP)の登場がデザイン文化に与えた影響は計り知れない。その影響は今も続いている。デザインという領域への参入のハードルが低くなったことで多様な人材が流れ込み、新しいツールを用いて新たな表現を生み出す実験が行われ
英紙「フィナンシャル・タイムズ」の記者が著名人とランチを共にしながらインタビューする名物コーナー「Lunch with the FT」に坂本龍一が登場。危機の時代が音楽業界に与える影響、真のクリエイティビティ、日本のコロナ対応、今後のキャリアについて語り尽くす。 終始穏やかな口調だった坂本が苛立ちをあらわにした記者の質問とは──。 NYのティーハウスで会うはずが… 本来なら、この文章はニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港の出発ラウンジで書かれているはずだった。足元につまらない土産が入った袋を置き、東京行きの14時間フライトの搭乗時間が迫るなか、ノートパソコンには前日に坂本龍一から放たれた電気がまだビリビリと走っているのだ。 その日は、ニューヨークのウエストビレッジにある「Té Company」に早めに到着して、テーブルを確保していたはずだ。ニューヨーカー誌がスリリングな店だと絶賛した
「誰かに話を聞いてもらった」ことで、自分の中に新たな気づきが生まれたことはありませんか? 私はライターという職業柄、聞き手に回ることが多く、話すのはちょっと苦手。でも不思議と「話せてしまった」という経験をしたことがあります。なぜか次々に言葉が出てきて、自分の素直な気持ちを言語化できてしまった時間。相手にアドバイスをもらったわけでもないのに、「私が言いたいのはこういうことだったんだ」と自己完結してしまったのです。 その“不思議”の謎が解けたのが、フリーランスのライターとして活動を始めた頃に参加した「インタビューのワークショップ」でした。講師は、著書『自分の仕事をつくる(2003年・晶文社)』を通して知っていた西村佳哲さん。 ワークショップの中で、きく側のあり方によって、話す側に「話せる・話せない」、「思考が深まる・深まらない」という大きな違いが表れてくることを体感しました。「話せた」と感じた
ChatGPTのような生成系AIが生み出されたことで、従来人間に固有の能力とされた「創造性」を持つコンピュータが登場する予感が高まっている。 課題解決や新商品のアイデアを求めてる人は多い。コンビニの限られた棚を奪い合い・ヒット商品を生み出すための新商品開発を仕事にしている担当者はその一人だ。マーケティング分野では、新商品の開発担当者を支援するためのアイデア発想法も多くワークショップやアンケート調査など様々なものが試されている。 今回、最新のAIであるGPTモデルを利用して、新商品の開発担当者をどこまで支援できるのか、コンピュータの創造性のあり方を検討するためのアイデア生成サービス「アイディエータ」を開発した(※)。その開発の背景を含めてGPTモデルが実現できるコンピュータと創造性の事情について整理してみよう。 (※アイディエータは筆者の経営する(株)アンド・ディにより提供されるサービスであ
学習のデザイン9人目は、佐藤雅彦さんです。 このような人ですポリンキー、バザールでござーる、カローラⅡ、だんご3兄弟、ピタゴラスイッチ、I.Q、などなどCMからテレビ番組やゲームまで、知らない人はいない数々の作品を手がけてきたクリエイティブ・ディレクターです。 広告代理店を退社したのちに大学の研究室に場を移し、広告に限らず映像の表現を追求するなかで、多くの作家やクリエイターを輩出しています。 そんな佐藤さん、実はもともと営業職だったそうです。あるとき社内の人が興味を持ち勧めてみたことがキッカケだということでした。 自分ではそんな意識は全く無かった時に、藤幡さんは僕がつくったスケジュール表や見積り表を見て「きれいだ」と言ってくれたんです。(中略)それで30歳を過ぎてから、表現を始めたんです。 青山デザイン会議 クリエイティブが生まれる瞬間 P167より紫綬勲章を受章されたときのスピーチがあり
創作が当たり前になる時代に。━━ロゴデザインリニューアルの考え方【デザイナー原研哉×note加藤貞顕 対談】 note株式会社は、2022年12月21日に東京証券取引所グロース市場へ新規上場しました。それにあたって、ロゴタイプをはじめとしたヴィジュアル・アイデンティ(VI)を刷新。デザインは、日本デザインセンターの原研哉はら けんやさんにご担当いただきました。 ここでは、日本を代表するグラフィックデザイナーであり、作家としても著作を重ねてきた原研哉さんと、note代表で編集者としてさまざまな作品を手がけてきた加藤貞顕の対談をお届けします。 より器の大きなロゴで、noteとしての意志を見せる加藤:まず、今回はお引き受けいただき、ありがとうございました。素敵な服を着ると力がみなぎることがありますが、それと似た意味で、デザインしていただいた新しいロゴは、私たちの門出に華を添えてくださっていると感
「コンピューターがアートや音楽のようなオリジナルな作品を作り出すことはできるのか」という問いに対して多くの人が「NO」と断言してきました。世界最初のプログラマーであるエイダ・ラブレスなどは最も有名な例でしょう。 しかし、ある技術の進歩によって、その予想は間違っていたことが証明されつつあります。 それが「Generative AI」です。 Generative AIは、機械学習を使って、既存のデータセットから新しい画像や動画、テキストなどを生成することができる技術です。例えば、猫の写真のデータセットを学習させることで、今まで見たことのない新しい猫の画像を生成することができます。 Generative AIがもたらすインパクトは非常に大きく、私たちの創造性や社会を大きく変えていくでしょう。このコラムでは、Generative AI時代における私たちの創造性や、社会がどのように変化していくか、そ
Ray Bradbury’s advice for being more creative Every night read: - one short story - one poem - one essay Do that for a thousand nights and you’ll be stuffed full of ideas pic.twitter.com/35d6Z2V1os — Austin Kleon (@austinkleon) November 1, 2022 レイ・ブラッドべリ:クリエイティブになるにはツイートにはレイ・ブラッドベリ(「華氏451度」著者)の講演の一部を切り出した動画がついています。聞きながらざっと訳をつけてみました。 【動画の粗訳】 とにかく様々な分野のものをまずインプットしないといけない。シンプルな方法を教えましょう。 これから1000日間、毎
お疲れさまです。若宮です。 今日は、すぐれてクリエイティブな掛け算のアイディアって「詩的メタファー」に似ているんじゃないか、という話を書きたいと思います。 「異種交創」のアワードで改めて感じたこと先日、明星和楽さんという団体が主催する『勝手にクリエイティブ大賞』というアワードがありまして、おくりバント高山さん、しまだあやさん、セブンセンス吉田拓巳さん、(ヨッピーさん)という濃ゆい審査員の面々に混ぜていただいて審査をしました。 『勝手にクリエイティブ大賞』とは… 「異種交創」によって生まれた新しいモノ・コトを発掘し、審査を通じて賞を与えることによって、そのモノ・コトの拡散を図ります。今回は各分野の著名な方や東京からもゲスト審査員をお呼びしての開催となり、新たなクリエイティブが生まれるきっかけとなることを目指すアワードです。 数十のエントリーの中から最終選考にノミネートされた作品は、以下6作品
誰かの「いらなくなったモノ」を回収し、「いらない世界を変える」───そんな「循環型物流」の道を切り開いてきた株式会社エコランドと、株式会社まちづクリエイティブが新たに立ち上げるプロジェクト「CIRCULATION CLUB」。 このプロジェクトでは、SDGsのうち11番目「住み続けられるまちづくりを」と12番目「つくる責任つかう責任」にフォーカス。それぞれの視点から意欲的な試みを行っているプレイヤーの方たちへ、リサーチ型のインタビュー連載を実施。 今回は、株式会社博報堂による未来創造の技術としてのクリエイティビティを研究し、開発し、社会実験していく研究機関「UNIVERSITY of CREATIVITY」(以下:UoC)サステナビリティフィールドディレクターである近藤ヒデノリさんが登場。 アメリカ留学でエシカルな意識に目覚めたという近藤さんに、近年のビジネスシーンにおけるSDGsの意義か
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