ゼロ・ウェイストを町全体の目標として掲げる徳島県上勝町では、現在、とある興味深い取り組みが行われている。 徳島県内における衣服の廃棄削減と資源循環を目的とし、環境省による「令和5年度使用済み衣類回収スキームの構築に向けたモデル実証事業」の採択を受け始まった、「KURU KURU Fashion Project(くるくるファッションプロジェクト)」だ。 このプロジェクトではまず、上勝町ごみゼロ活動の発信拠点でもある上勝町ゼロ・ウェイストセンターWHYを中心に、上勝町内外から使用済み衣服の回収が呼びかけられた。そして、回収された衣服の組成分析が行われ、パートナー企業との連携により、リユース・リメイク・リサイクルの順番で衣服を再生することで、県内における衣服循環のシステム構築を目指している。 プロジェクトの一環として、回収された衣服のリユースマーケットである、「KURU KURU Fashion
BEAMS(ビームス)が10月20日から22日まで、「モノを売らないお店」を東京・原宿に期間限定でオープンする。お金の代わりに必要なのは、着なくなった服。来場者が服を持ち込んで、同じように他の人が持ち込んだ洋服やビームスの経年在庫と「物々交換」するという。 「サステナビリティと聞くとちょっとハードルが高く思う消費者に対し、どんなアウトプットをしていくべきかを考えてたどり着いたのが、自分たちが気持ちよく過ごすためのアイデアをスタッフという等身大の姿をもって伝えることです。 ファッションを愛する私たちも、消費者であるお客様と一緒になって物のライフサイクルの選択肢を見つけられる、そんな立場でありたいと思っています」 「モノを売らないお店」責任者の桑原優季さんは、今回の企画に込めた思いをこう説明した。 「売らないお店」は、来場者が持ち込んだ衣類1点につき、店内にあるアイテムを1点持ち帰ることができ
持続性のある環境づくりが求められている現在、建築の領域において、地域の自然環境と人々のニーズを両立する「サスティナブル建築」への関心が高まっている。地域、自然、そして人間のすべてにとって心地よく快適な建築づくりに求められる建築思考を、サスティナブル建築の第一人者マリオ・クチネッラから学ぶ。 以下、Il Sole 24 OREに掲載されたAlexis Paparo氏による「Mario Cucinella: l’architettura sostenibile, circolarità di risorse e conoscenze」の記事を許可のもと翻訳した内容をお届けする。 サスティナブル建築の第一人者マリオ・クチネッラの建築哲学 マリオ・クチネッラは、今日、サスティナブル建築の第一人者として世界的に活躍するイタリア人建築家だ。 1987年から建築家としてのキャリアをスタートさせたクチネッ
脱炭素社会を実現するためには、まず実態を把握した上で目的に向けたシナリオを構築し、さらにその進捗を評価していく必要がある。橋本征二は、循環型社会の構築に寄与するため、シナリオやシステムの評価・分析、さらにそれを適切に評価するための手法開発に力を注いでいる。 シナリオ・システムの分析や評価手法の開発に取り組む 2020年10月、日本政府は「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラルを目指す」と宣言。2021年6月には「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を打ち出し、脱炭素社会の実現に向け、具体的な動きを加速させている。 「目指すべき社会を定めたら、そこに近づいていくためのシナリオをつくり、適切な指標で状況を計測・評価、進捗を点検していく必要があります」。そう語る橋本征二は、システム論的アプローチから主に資源循環に関わるシ
気候変動により、地球の温度はますます上昇しています。国連によると、1800年代に比べて地球の気温は1.1度上昇しているといいます(※1)。このまま気温上昇が続けば、人類は自然災害や紛争、食料不足などさらなるリスクにさらされるでしょう。 気候危機は環境だけでなく、社会や政治、世界システムなど複雑に絡み合って私たちの前に立ち塞がっています。 私たちは、複雑な問題が組み合わさっているこの気候危機に対して、どう向き合っていけばいいのでしょうか。ますます進行の一途をたどっている気候変動を抑えていくためには、これまで以上の大胆な改革が必要だ──そんな想いから、IDEAS FOR GOODと株式会社メンバーズが始めた共創プロジェクトが「Climate Creative(クライメイト・クリエイティブ)」です。 Climate Creative企画ではこれまで、数々のイベントを開催してきました。
企画やデザインに膨大な時間や労力がかかるのに、掲示されるのはわずかな期間だけ。倉庫で眠らせるか廃棄するしかなかった広告宣伝物を掘り出し、バッグにアップサイクルするプロジェクトがあります。クリエイティビティを使い捨てにしないという発想の原点とは。 幼虫として土の中で数年間を過ごし、ようやく地上に出たらたった数週間で死んでしまうセミ。 そんなセミの一生に似ているのが、時間をかけて準備したのに掲示期間が終わると廃棄されてしまう、広告宣伝物の運命です。 「ひとつの広告には、企画、デザイン、撮影、議論など、目には見えないけれど多くの人たちの労力と時間とアイデアが詰まっています。物質的な素材の再利用も大切ですが、むしろ僕は『デザインの寿命を長くしたい』という思いが強いです」 展示が終わった広告や掲示物などのデザインを生かし、バッグにアップサイクルするブランド「蝉 semi」。ブランド名にそんな思いをこ
環境とビジネスの分野から、坂野晶と山川咲はなぜ鹿児島の環境ベンチャーECOMMITに参加を決めたのか? 伊藤忠商事/Kipsから、初となる資金調達のニュースと共に、ECOMMITに二人の仲間が加わりました。取締役 Chief Sustainability Officerの坂野晶と、取締役 Chief Branding Officerの山川咲です。環境とビジネスのプロとして第一線で活躍し続ける二人は、なぜECOMMITに参加を決めたのか。今回の記事では、お二人の言葉で、その背景にある思いをお届けします。 それぞれの領域で社会への働きかけをおこなってきた 山川咲:CRAZY WEDDING創設者。1983年東京生まれ。大学卒業後、ベンチャーのコンサルティング会社へ入社。退職後に単身オーストラリアへ。「意志をもって生きる人を増やしたい」と考え、2012年に業界で不可能と言われた完全オーダーメイド
【4ヶ月完結・オンライン+現地】わたしをいかした小さな商いをはじめる。まち商いスクール in 福島県双葉町 『生きる、を耕す本』が完成!greenz peopleになるとプレゼント→ 1日約1万冊の捨てなくてはならない本を、なんとかしたい。 本のよりよい循環を目指すバリューブックスが、「本だったノート」にこめた思いとは 2022.11.22 supported by greenz people supported by greenz people 古瀬 絵里 古瀬 絵里 1日に約2万冊。 これは、オンラインを中心に本の買取・販売を手がける会社「バリューブックス」に届く本の数です。そしてその半分、つまり約1万冊は、さまざまな理由で値段がつかず、廃棄されています。 この本を使って、何かできないか。そんな思いから生まれたのが「本だったノート」です。 その名の通り、このノートはかつて本だった再生紙
writer profile Kotaro Okazawa 岡澤浩太郎 おかざわ・こうたろう●1977年生まれ、編集者。『スタジオ・ボイス』編集部などを経て2009年よりフリー。2018年、一人出版社「八燿堂」開始。19年、東京から長野に移住。興味は、藝術の起源、森との生活。文化的・環境的・地域経済的に持続可能な出版活動を目指している。 「古本屋」を超えた古書店 〈バリューブックス〉の名前は、 〈amazon〉や〈楽天〉で古書を市場など買うときに 目にしたことがある方が多いのではないだろうか。 バリューブックスは、本の買取販売を主軸とする一方で、 販売だけでなく、異業種との協業を含めたさまざまなプロジェクトを展開しており、 もはや「古本屋」の域を超えた企業といっていいだろう。 バリューブックスの「ブックバス」。地域やイベントをまわって本の販売や寄付を行う。同社の事務所がある長野県上田市内の
介護の限界を目の当たりにして辿り着いた「久比」という村 久比は人口の約7割を高齢者が占め、「日本の未来のような村」と呼ばれるような限界集落のひとつです。300軒ほどある建物の4割は空き家。そんな田舎の村に「一般社団法人まめな」の拠点があります。 代表理事の更科さんは、5年ほど前に在宅介護で母親を看取りました。これからより高齢者が増えていくとされるなか、日本の介護の限界を痛烈に感じたと言います。 「一般社団法人まめな」代表理事・更科安春(さらしな・やすはる)さん。1955年東京生まれ。1998年より株式会社イッセイミヤケにて総務人事、広報、知的財産部、ブランドマネジメントを経験。2000年よりインディゴ株式会社にてインターネット事業に携わり、2002年に独立、株式会社i-supportを設立しインターネットコンサルティング、ホームページ制作、Eコマース運営、システム開発ディレクションなどを行
三浦祥敬氏は、全国各地を巡礼しながら、各地で唐揚げを無償で配りながら暮らしている。面白いのは、唐揚げを売るわけでなく「配る」。その代わりに貨幣はもちろん、衣食住などのお布施をいただくことで、生きていくという稀有な暮らし方をしているという。私たちはこれから不安定な経済や貨幣といった制度とどのように向き合い、不安に苛まれることなく楽しく暮らしていけるのか。そのヒントがもらえるのではないかと思い、お話を聞いてみた。 三浦祥敬(みうらしょうけい): 1991年佐賀のお寺生まれ。2021年7月7日から、お経や弔事と関わりのない場面でお布施を贈り、お布施を受け取ることだけで生活してみる「OFUSE Experiment」という生活の実験を行いながら、寺社仏閣・霊山などを訪ねながら全国を巡礼している。食べ物、泊まる場所、お金とのご縁をよく頂き、カラアゲを贈ることが多い。空揚げ歴は16年、カラアゲを対価を
取材ツアーに同行する人募集!動力を使わず、自分の脚力と腕力だけで旅する「グレートジャーニー」で知られる探検家・関野吉晴さんはなぜ今、旧石器時代の暮らしを再現しているのか greenz.jpの連載「暮らしの変人」をともにつくりませんか→ 建築の世界で、コンクリートの代替としても注目される「土」。土の建築家・遠野未来さんに聞く、未来のために土の建築ができること 2022.05.24 土をつくる社会とわたしたちの話 土をつくる社会とわたしたちの話 増村 江利子 増村 江利子 「循環型社会をつくる」といったとき、みなさんはどんなイメージをもちますか? 捨てずにもう一度使う、企業が回収して再利用するしくみをつくる、そもそも大量に生産しない、大量に消費しない……。おそらく、そのどれもが正しいと思います。 でも、地球の生態系や環境の回復という視点で循環型社会を考えたときに最終的に行き着くのは、「土に還る
Sanu CEOの福島弦さん(左)、ファウンダー兼ブランドディレクターの本間貴裕さん(右) 撮影:佐藤新也 社会課題の解決に取り組むミレニアル世代を応援するBusiness Insider Japan主催のアワード「BEYOND MILLENNIALS(ビヨンド・ミレニアルズ) 2022」が、1月24日からスタートする。「サーキュラーエコノミー」「ダイバーシティ&インクルージョン」「ローカル」「テクノロジー×ビジネス」そして「Z世代」の挑戦者たちに、その思いを聞く。 第4回は、自然の中にもう一つの家をもつためのサブスクリプション・サービス「SANU 2nd Home(サヌ セカンドホーム)」を提供するSanu CEOの福島弦さんとファウンダー兼ブランドディレクターの本間貴裕さん。 雪山で遊んだ幼少期。その喜びも怖さも肌で感じていた 「自然が好きな人が増えれば、結果的に自然を大切にする人が増
誰かの「いらなくなったモノ」を回収し、「いらない世界を変える」───そんな「循環型物流」の道を切り開いてきた株式会社エコランドと、株式会社まちづクリエイティブが新たに立ち上げるプロジェクト「CIRCULATION CLUB」。 このプロジェクトでは、SDGsのうち11番目「住み続けられるまちづくりを」と12番目「つくる責任つかう責任」にフォーカス。それぞれの視点から意欲的な試みを行っているプレイヤーの方たちへ、リサーチ型のインタビュー連載を実施。 今回は、株式会社博報堂による未来創造の技術としてのクリエイティビティを研究し、開発し、社会実験していく研究機関「UNIVERSITY of CREATIVITY」(以下:UoC)サステナビリティフィールドディレクターである近藤ヒデノリさんが登場。 アメリカ留学でエシカルな意識に目覚めたという近藤さんに、近年のビジネスシーンにおけるSDGsの意義か
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く