「感染症は不平等のリトマス試験紙」──。 これは米ミシガン大学の疫学の助教、ジョン・ゼルナー氏の言葉 である。 先週、「ナショナル・ジオグラフィック」の記事で引用されたものだ。ここでは新型コロナウイルスの今回アウトブレイクや過去の研究から、医療従事者や介護職など特定の職業に就く人や、低所得者層の感染リスクと予防の難しさを伝えている。 例えば、米国の新型コロナによる死者が、ワシントン州最大都市シアトルで多い最大の理由を、「ホームレスの多さにある」と分析。ホームレスの大半は屋外で寝起きし、多くが高齢者や慢性的な健康問題を抱えている人々のため重症化しやすいとした。 また、低所得者は比較的混み合った環境で暮らし、未治療の基礎疾患があり、休めない仕事に就いてる人が多いと指摘。 「家の中にこもるにしても、食料品店には行かなければなりません。では、食料品店で働いているのは誰でしょうか。必要なものをネット