イーメックスは2012年2月、リチウムイオン二次電池を上回る長寿命で低コストな新型電池「高分子・ガラス電池」を開発した(図1)。 従来のリチウムイオン二次電池の性能は頭打ちになっているが、正極と負極に新材料を用いることで性能向上を果たしたという。「現在、性能評価を終えて、小型の連続製造装置が完成したところだ」(イーメックスの代表取締役である瀬和信吾氏)。 同電池の特長を一言でいうなら、エネルギー密度に優れる二次電池と、パワー密度に優れるキャパシタの良いところ取りをした電池である。小型の電気自動車(EV)や太陽光発電システムとの併用などに向くとした。キャパシタに向く用途、すなわちEVのエネルギー回生や建機などにも役立つという。 図1 イーメックスの高分子・ガラス電池 高分子・ガラス電池の試作品(図左の白い板)と正極(図中央)、負極(図右)。正極は連続生産するために帯状になっている。負極は金属
産業技術総合研究所(産総研)は2月27日、フランス、イタリア、オーストラリア、ドイツ、イギリス、アメリカ合衆国、欧州委員会の計量標準研究機関との国際研究協力(アボガドロ国際プロジェクト)により、「アボガドロ定数」の高精度化に成功したと発表した。これを受け、2011年10月に開催されたメートル条約の最高議決機関である国際度量衡総会において、国際キログラム原器を将来は廃止し、基礎物理定数によるキログラムの再定義を実施する方向性を示す決議が採択された。 成果は、産総研計測標準研究部門流体標準研究室の倉本直樹主任研究員らによるもので、詳細な内容は米科学論文誌「Physical Review Letters」の2011年第106巻にて掲載済みだ。 国際単位系(SI)は、長さ、質量、時間、電流、温度、光度、物質量に対応する7つの基本単位(m、kg、s、A、K、cd、mol)と、その組立単位(角度の単位
産業技術総合研究所(産総研)は2月8日、高選択・高効率な放射性セシウム吸着能を示す「プルシアンブルーナノ粒子」(ナノ粒子吸着材、画像1)を量産化するとともに性能を実証したと発表した。 今回の量産化や実証は産総研ナノシステム研究部門グリーンテクノロジー研究グループの川本徹研究グループ長らの研究グループと、関東化学、郡山チップ工業、東電環境エンジニアリングの協力によって実現。成果の詳細は、2月15日から17日まで東京ビッグサイトで開催の第11回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議の産総研ブース特別展示「震災に立ち向かうナノテクノロジー」の一環として発表の予定だ。 東北地方太平洋沖地震に伴い発生した東京電力福島第一原子力発電所の事故により、さまざまな場所で放射性セシウムが検出されている。放射性セシウムを除去する方法の1つが、吸着材での回収だ。現在、ゼオライト(ナノメートルオーダの細孔が規則的に並
半導体デバイスの微細化が進み、すでに28nmプロセスでの量産が始まっている。微細化を担う半導体の微細加工技術は大別してリソグラフィ技術とドライエッチング技術から成っている。リソグラフィ技術は、解像度が光の波長とNA(レンズ開口数)で決まるため、比較的容易に理解できるのに対し、ドライエッチング技術はエッチング装置のチャンバ内で起こっている現象が複雑であり、理解を難しくしている。このため、ドライエッチング技術は、リソグラフィ技術に比べると注目度が低い。 しかしドライエッチングの技術者数はリソグラフィと同じくらい多い。技術的な重要性も高く、Si、SiO2、メタルなど、材料ごとに固有の装置とプロセス技術がある。そして、Cuデユアルダマシン配線加工や新材料加工など次々と新しい技術領域が生まれている。また、荷電粒子を扱うがゆえに起こるプラズマダメージはデバイスの歩留まりを落とす元凶であるため、そのメカ
田中貴金属工業は1月17日、紫外線(UV)による硬化のみで、加熱硬化せずに電子回路配線を形成することができる導電性銀インクを製品化し、1月18日より販売を開始することを発表した。 今回製品化した導電性銀インクは、銀粒子に含有させる樹脂と反応開始剤の組成と配合を最適化させることで、加熱せずに室温状態でUVを照射するだけで、瞬時に電子回路配線を形成できるというもの。熱硬化式で必要だった大きな装置や加熱処理時間が不要になるため、従来よりも小さい装置面積で、単位面積当たりの生産スピードを向上することが可能となる。販売する銀インクは合計3種類で、種類の異なる樹脂と反応開始剤を混合しており、製造装置や用途に応じて材料を選定できる。 同製品で基材に回路を印刷した後、UVを約0.3秒間照射することで、室温状態でも瞬時に印刷膜を硬化して回路を形成でき、導通させることができるという。膜厚5μm以上で、電気抵抗
ヒトも物質も、分子でできており、その分子も原子の組み合わせで構成され、その原子も…とドンドン細かく分解していくと最後はどこに行き当たるのか。言葉通り、「それ以上分割できない粒子」のことを素粒子と呼びます。 例えば脆い石を壁に投げつけると粉々になります。その中の1つの粒をさらに拾い、その大きさに見合った小人がまた壁にぶつけるとやはり粉々になり、さらに小さな小人がまた壁にぶつける…この分割作業を繰り返していくと、逆にやがて硬い粒が出てきます。この粒はどんなに力自慢の小人が壁にぶつけても割れません。この粒を素粒子と言います。素粒子ほど硬くないものは単に粒子と呼びますが、石ぐらいの脆さだと、粒子とも言いません。 二酸化炭素の化学式はCO2で、炭素(C)が1つと酸素(O)が2つから構成されていることを表しています。Cは人体にもたくさん含まれている粒子で、体重70kgの人の場合16kgくらいの炭素があ
全てのステンレスは、さびる!:甚さんの「技術者は材料選択から勝負に出ろ!」(4)(3/3 ページ)
甘味料で一度に40軒分の熱を運ぶ、大阪発の新しい都市エネルギー利用法:スマートグリッド(2/2 ページ) バイナリー発電とトラック輸送が目玉 実証実験では低温の熱を利用する技術を2つ盛り込む。 まず、低温排ガスを出力250kWのバイナリー発電設備に通す。約80℃と沸点の低い代替フロンを気化させ、そのときに起こる体積の膨張を利用して、タービンを動かし、発電する仕組みだ。 もう1つは、蓄熱槽を搭載した熱輸送車(トラック)だ。低温の熱を工場30km圏内の需要家に直接輸送する。「4トントラック1台で0.9GJ(ギガジュール)の熱量を輸送できる。これは一般家庭40軒が1日に使う熱量と等しい。一度に運べる熱量が多いため、一般家庭よりも、小さな工場やビルなど業務用としての利用を考えている」(大阪ガス)。実証実験では、トラックを5台程度を利用する予定だ。 このとき、工場内のEMS(Energy Manag
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く