2016年7月に米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催された半導体製造装置材料展示会「SEMICON West 2016」の併催講演会で米国の半導体技術動向調査および製造コスト分析企業であるIC KnowledgeのScotten W. Jones社長が次世代の半導体技術について調査会社の立場で示唆に富んだ講演を行った。今回の連載では、この講演内容を踏まえて、半導体技術の最新事情を読み解いてみたい。 熾烈を極めるロジック各社の先端技術ノード開発競争 次世代半導体デバイスの実現を目指して超微細化を追求する半導体メーカー(ファウンドリ含む)は、世界でほんの数社に絞り込まれてしまった。これら最先端プロセスを提供する半導体メーカーは他社より技術的優位性を強調した独自のロードマップを発表し、超微細化を象徴する独自の技術ノード名(注1)を宣伝するなど、微細化競争に拍車がかかっている。これらの数社は
コンピュータの電力効率を高めるために何をすべきか? 1946年に完成したENIACでは1万7000本の真空管を使ったが、それらをつなぐため人手で500万カ所のはんだ付けを行ったという。集積回路の貢献は、1万7000本の真空管に相当するトランジスタを集積したこともあるが、500万カ所のはんだ付けを集積したことが重要であるという。 トランジスタ単体の消費電力が減らず、性能が上がらなくなるポストムーアの時代には、電力の低減を行わないと性能を上げることはできなくなる。そして、そのために重要な技術が、接続の改善であると黒田先生は言う。 現在の接続の主流は、機械式(配線、はんだ付け、コネクタ)接続であるが、これを電子式(近接場結合)に革新することで接続のバンド幅や消費電力を改善することができるという。 電磁波(光を含む)は近接場と遠方場があり、遠方場は電波として遠くまで届くが、近接場は距離が離れると急
スピン注入式の新型MRAMがいよいよ製品化、2015年にはギガビット品が登場へ:メモリ/ストレージ技術 DRAMに近い高速性と書き換え耐性が得られる次世代不揮発メモリとして注目されるMRAM。これまでに製品化されていたトグル方式のMRAMは記憶容量に制約がありDRAMを置き換える応用は難しかった。この状況が変わる。大容量化の有力手段として期待がかかるスピン注入方式を使った、新型MRAMの製品化が始まった。 次世代の不揮発性メモリの1つMRAM(Magnetoresistive RAM:磁気メモリ)は、揮発性メモリであるDRAMに近い高速性と書き換え耐性を得られることから注目を集めている。製品化で先行するのが米国のアリゾナ州に本社を置くEverspin Technologiesだ。同社はFreescale Semiconductorが手掛けていたMRAM事業を2008年6月に分社化して誕生し
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