2−1.VCO VCOは、その名の通り電圧で出力周波数をコントロールするものです(図2)。図3にその入出力特性例を示します。入力電圧に対する出力周波数の特性には、単調性が必要です。また、できるだけ直線性の良い事が望まれます。なぜならば、入出力特性が直線に近い方が、伝達特性が一定で、ループの設計が楽になるからです。 VCOの回路としては、いろいろなものがあります。マルチバイブレータを使ったものや、LC共振回路を利用したもの等、たくさんの種類があります。しかしながら、「何を使っても、最終的なPLLの性能に変わりがない」と言う事は絶対なく、それなりの選択をしなくてはなりません。VCOに必要な特性は、信号純度の高さです。「信号純度が高い」と言う事は、「位相ノイズが少ない」事であり、「ジッターが少ない」と言う事と等価です(図4.図5)。 一般にマルチバイブレータ等を利用したVCOは、位相ノイズが大き