前回の記事では、Spotifyをはじめとする音楽ストリーミングサービスが、iTunesに代表されるダウンロード配信を追い詰めている実態を、筆者がかかわるレーベルの販売データをもとに考察した。今回は、日本の音楽業界とインターネットとの関係について過去を振り返りながら、これからの音楽業界の行く末に思いを巡らせてみたい。 本論に入る前に、表を見てほしい。これは、あるアルバムのCD販売とダウンロード販売の分配率と収益の一例だ。販売価格を基準として「誰と誰が何パーセントを抜いて、原盤権者にはいくらの収入を渡す」という仕組みは同じだ。