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  • 大きな話ができる人 - レジデント初期研修用資料

    少ないリソースをやりくりできる能力と、たくさんの人数や、大きな予算をその大きさなりに使ってみせる能力とでは、求められるものがずいぶん違う。 小さなタスクを正確にこなせる人が増えた一方で、世の中からはたぶん、大きな話を大きく論じられる人が減った。 大きさが変わると道具も変わる 同じ「切る」道具であっても、手術用のメス刃とチェーンソーとでは異なって、「丸太を切る」という問題があった時に、「大きなメス刃」は解答としてふさわしくない。大きな問題を論じるためには「大きな言葉」が必要で、大きな言葉はたぶん、小さな言葉の延長線上には存在しないのだろうと思う。 新人だったころの田中角栄は、選挙の第一声として、「みなさん、あの山を削っちゃいましょう。余った土は海に入れて佐渡ヶ島とつなぎましょう。山がなくなれば雪は全部関東の方にいく。新潟の耕作可能免責は飛躍的にひろがる」とマイクでがなった。 「大きな言葉」で

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    verfallen 2013/02/27
  • 歩き出す技術について - レジデント初期研修用資料

    広告: 「内科診療ヒントブック」の改訂版が11月下旬に発売されることになりました。病棟業務に携わる方々に役に立つものになったのではないかと思います。手にとっていただければ幸いです。以下文。 大きな問題と対峙した新人は、頭のいい抜け道を探そうと試みる。同じ状況でベテランは、ただまっすぐ歩き出す。 どこか遠くに行こうと思ったら、空を飛ぶ修行をはじめるよりも、歩いたほうがたいてい速い。あたりまえのことなのだけれど、歩いていける距離を飛ぶために、歩かずに修行をはじめる人はけっこう多い。 分割すると遠くにいける 単行の文字数はだいたい10万字で、大抵の人にはたぶん、この目標は遠くに思える。ところがTwitter の界隈を見渡せば、140文字のつぶやきを1000回以上重ねている人はそれほど珍しくない。 盛り上がったおしゃべりを30分間行なって、それをテキストデータにベタ打ちすると、たしか新書1冊ぐ

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    verfallen 2012/11/17
  • 問題と向き合う態度について - レジデント初期研修用資料

    それが勉強であっても遊びであっても、何かの問題に対峙したときには、まずはその問題とどう向き合っていくのか、自分の覚悟というか、計画を「これ」と定めておかないと、努力を積むときの効率がずいぶん変わってくる。 人間の先を超えた人 難しすぎて、人間には攻略不可能なんじゃないかと言われていた「怒首領蜂 大往生 デスレーベル」をクリアした人のインタビュー記事 が興味深くて、未だによく読み返す。 ゲームを攻略するときには、「リソース管理」と「クリア計画」という考えかたがあって、自分にはとても新鮮なものたに思えた。 <引用> クリアの計画とは普通のシューティングゲームを攻略する場合に使う大局的な考え方で、コンティニューしても何でも良いのでとりあえず1回ラスボスを拝むところまでプレイした後に、ラスボスを倒すためには何が必要かを見積ります。 具体的には、まずラスボスを確実に倒すためには残機が何機必要で、ボム

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    verfallen 2011/09/05
  • 無能から見える風景 - レジデント初期研修用資料

    Recent Entries 無能から見える風景 乱暴な言葉の使いかた 下段の間合いを削る人 何かを呼ぶには3人必要 共通言語としての損得勘定 負けるのは大事 悪い奴らは来なかった 体質改善は怪我に効かない 平凡なのにはわけがある 悪役の深度について Recent Comments 下段の間合いを削る人 05/09 tetsukawa 05/06 medtoolz 05/06 xen 悪い奴らは来なかった 04/30 デフォルトの名無しさん このは何でないのか 12/31 medtoolz 12/30 薬屋支店総務 12/30 愛読者 12/30 エリヤフ先生 12/29 medtoolz 案外やっていけるお店のこと 12/30 kaka Recent Trackbacks 乱暴な言葉の使いかた 05/11 5月10日の気になったニュース:高レベル... 05/09 乱暴な言葉の使いかた

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    verfallen 2011/05/14
  • 乱暴な言葉の使いかた - レジデント初期研修用資料

    状況に火がつくと、たいていの人は足がすくんで立ち止まる。不明の状況にあって、動くことを決断するのは大変で、止まるとたいてい、状況はもっと悪くなる。 最初に動いて、乱暴な言葉で大声を張り上げて、背中を押せる人が、だから必然的にリーダーになる。 「怒鳴りかた」にも文法があって、単に大声を出せる人と、大声で指示を出せる人とは異なってくる。 人望のあるイワシはいない イワシの群れのどこかにも「頭」に相当する個体がいる。「リーダーイワシ」は、人望があるとか、他の個体より頭がいいとか、リーダーシップにつながる何かを持っているわけではなくて、単に「一番最初に舵を切った」ということが、その個体を暫定的なリーダーに押し上げている。群れの生き死にがかかっている状況にあって、まわりの情報を把握できている個体がいないのならば、最初の判断を行った個体に、群れはそのままついていく。 選択枝を明らかにした上でお互いの落

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    verfallen 2011/05/08
  • 相手から見える風景を想像する - レジデント初期研修用資料

    誰かを説得しようと試みるときには、その人から見える風景の中にあるものを使った説明を行わないと、成功しない。 同じものを見ていても、見えかたは人ごとに全く異なる。その人が物事をどう見ているのか、それを想像して、その人から見えた風景を材料にして論を作ると、説得はうまくいく。 夜中の紹介が増えた もう昔からのことだけれど、18時も過ぎた当直時間帯に、「2ヶ月前から欲がありません。入院をお願いします」という依頼が、毎日のように近隣老健施設から寄せられる。 入院を決定すると、たくさんの書類を書く必要があって、人手がかかる。当直時間帯は病院に人はいないし、真夜中に、急な入院で動転しているご家族に、当直帯の忙しい中、丁寧な説明に割ける時間は少ない。たとえそれが2ヶ月前からの症状でも、受ける側はやっぱり、大変な騒ぎになってしまう。 こういうのは、「2ヶ月前」のどこか日中で連れてきてくれれば済むことなのだ

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    verfallen 2011/03/24
  • 否定の深度について - レジデント初期研修用資料

    「いい仕事してますねぇ」の、「なんでも鑑定団」に出てくる鑑定人、中島誠之助の語りが素晴らしいと思う。いかがわしさと人当たりのよさと、矛盾が見事に同居しているようなあの話芸は、出品されたものが「贋作」であったときに、出品者を否定するときに威力を発揮しているように思える。 欠けているものと過剰なもの 鑑定を依頼された何かが「偽物」であったときには、鑑定人の人たちはたいてい、「これは物ではありません」と、冒頭に宣言する。宣言したあと、「依頼品にはこの要素が欠けています」と、物に比べて、足りないものを指摘する。やりかたとして、これは全く間違っていないけれど、鑑定を依頼した人は、「欠けている」その依頼品を嫌いになってしまう。 中島誠之助が偽物を鑑定するときには、「もしも」から入る。 「もしも物だったら」で語りをはじめて、それが素晴らしい価値を持つこと、当時人気があったこと、現存していればすごい

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    verfallen 2011/02/10
  • 努力には正しい方向がある - レジデント初期研修用資料

    どこかに就職したり、何か会社を興してみたりといった体験を持たない、生まれついての「プロの政治家」という人たち、 学校を出て、最初から政治家として活動して、努力した人たちが、そのまま最上階まで行ってしまうのは、恐ろしいことだと思う。 努力した人はしがみつく 何かの目的を持った人、目標を「これ」と決めて、それを実現するためのやりかたを考えた経験を持つ人は、 あらゆる場所が通過点になる。目標を達成したなら、たぶんまた別の目標が見つかって、やるべきことや、必要な資格なんかは、その都度変わってくるだろうから。 漠然と「努力」を重ねて、努力の「ご褒美」として、一番高い椅子を手に入れてしまった人には、もはや「上がりの先」を想像することができない。努力をもっとやろうにも、 そこにはもう、問題集とか、次のご褒美を用意してくれる誰かはいないから、先が見えない。 こういう人が頂点に座ってしまうと、今度はじゃあ、

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    verfallen 2011/01/05
  • フィクション欠乏症について - レジデント初期研修用資料

    「大人になること」というのは、「何かに飽きる」ことと同義であって、ある分野に対して飽きることに失敗したまま、 資金力や実行力ばかりが身についた「大きな子供」は、しばしば暴走して、とんでもないことをしでかしてしまう。 オカルトの摂取は大切 たとえばオカルトを恒常的に摂取している人たち、今でもムーを欠かさない自分みたいな人間は、オカルトというものを楽しみこそすれ、 それを心から信じ込んだり、何かのオカルトグッズに全財産をつぎ込んだりといった行動は、逆に出来ない。 オカルトがどれだけ魅力的でも、20年もつきあっていれば飽きが来るし、人間の想像力には限界がある以上、 オカルトマニアがどれだけ想像力を駆使したところで、新しい神秘はなかなか出てこないものだし。 「飽き」という現象は、恐らくはオカルト以外のどんな分野にもあって、力を持てない子供のうちに、そうした極端なフィクションをたくさん摂取して、 そ

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    verfallen 2010/12/22
  • 土俵をずらす戦略 - レジデント初期研修用資料

    たとえば大量の戦車や火砲で攻めてくる大軍相手に、物量で劣った側が、より強力な対戦車兵器で応戦を試みても、 物量に押しつぶされて、敗北を避けるのは難しい。 物量で勝てない敵を相手にして、相手の土俵で勝負してしまうと、戦況は間違いなく泥沼化する。 こんな状況で戦うときには、まずは「相手の土俵」を見定めて、「そこでない場所」で全力を尽くせるような状況を考えないといけなくて、 相手が「戦車」であるときには、そこは「地下」なんだという。 まずは穴を掘る 戦車が武器として成立する条件は厳しくて、戦車はたしかに協力だけれど、スピードは遅いし、視界は極端に悪い。 見えない場所から近寄る手段があるのなら、ちょっと大きな地雷を一つ放るだけで、たいていの戦車は動けなくなるし、 壊れた戦車を内側から直すことはできないから、その時点でもう、武器としての戦車は、その意味を失ってしまう。 戦車を運用するときには、だから

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    verfallen 2010/11/16
  • 創造的安普請 - レジデント初期研修用資料

    創造というものは「何でもない」場所から生まれる。 今の時代は何でもあって、手に入らないものなんてないはずなのに、「何でもないもの」の居場所というものは、どんどん失われていっているような木がする。 創造の生まれる場所 たとえば「日版シリコンバレー」みたいな、何か創造性を期待するような場を気で作ろうと思ったならば、 「きれいなオフィスを国費で安価に提供する」ような発想をしてはいけないのだと思う。 国がどこかを開発して、こぎれいなビルを並べて、安い家賃で貸し出したところで、新しいものは創造されない。 きれいなビルの代わりに、どこか土地の安い、不便な広場を買い上げて、廃棄寸前の貨車だとか、 コンテナみたいなものを大量に並べて、「水道と電気、無線LAN だけ用意してやるからあとは自己責任」みたいな場所を用意したほうが、 「創造」はより近くなる。 アップルはガレージ生まれだし、ホールアースカタログ

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    verfallen 2010/10/27
  • 経験は「どう」に集まる - レジデント初期研修用資料

    「何をするべきか」を語れる人は多いけれど、「どうやってそれを実現するのか」を語れる人は少ない。 「何」は一般化して、買い叩かれて、いっぽうで、「どう」を知っている人は生き延びて、 経験や知識というものは、「どう」を知っている人に集まってくる。 売りになる経験のこと たとえば最近、近所の開業クリニックで「医事職員募集」の広告を出したら、 大学を卒業したぐらいの人たちが30人、ずらっと列をなして集まってきたんだという。 今はもう当に仕事が厳しくて、田舎だと、立派な学歴を持った人でも、 ある程度安定して勤められる職場というのは当に少ないらしい。 うちの病院には最近、30代も後半の男の人が2人、新規職員として就職してきた。 2人とも、以前に病院勤めをしてきた人たちで、その頃の病院というのは、ちょうど「DPC」という、 新しい会計制度を導入した頃で、事務長は、「その時に病院にいた」という経験を買

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    verfallen 2010/10/16
  • グレーな需要を掘り起こす - レジデント初期研修用資料

    「欲しいもの」と「欲しくないもの」との間には、たぶん「お金を払うほどではないけれど、あるならほしい」という、グレーな需要というものがあって、値下げをいくら行ったところで、お金を支払うという動作がそこにあるかぎり、こうした受容は掘り起こせない。 グレーな需要は、お金の支払い方だとか、商品の見せ方を変えることで、けっこう大きな市場として、掘り起こせる可能性があるのだろうと思う。 普段読まないものを読みたい 自分がお金を払って買う雑誌は、今だとせいぜい「ムー」ぐらいなんだけれど、医局で当直していると、「週刊実話」だの、「DIME」だの、他の先生がたが置いていった雑誌が積んであって、普段だったら手に取ることはない、こういうをパラパラめくると、けっこう面白い。自分が直接興味がある内容でなくても、そういうものに興味がある人がいて、それを面白がる人が書いた文章というのは、読んでみるとやっぱり、面白いか

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    verfallen 2010/07/12
  • マスターアップしました - レジデント初期研修用資料

    2009病棟ガイド の名前で昨年から製作を続けていたマニュアルが一応完成し、データが印刷所に納品されることになりました。 メモ書きの束に過ぎなかった原稿をまとめるのは大変で、原稿をオーム社様に持ち込んだのが昨年12月、その頃から原稿は、Subversion を用いたバージョン管理が導入されるようになりましたが、上の先生がたに査読をお願いしたり、編集部の方にレイアウトを直していただいたり、訂正箇所は膨大で、最終的に、原稿のリビジョンは120に及びました。 結局このはなんなのかと言えば、「平凡な医療の劣化コピーを簡便にまとめたもの」である、ということになるのだと思います。 世の中にはもちろん、たくさんの正しい教科書があって、それを読み、理解することができれば、正しい知識を身につけることができます。いい教科書がたくさんある現状で、それでも「劣った教科書」を出す意味というものがあって、恐らくそ

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    verfallen 2010/02/27
  • 生産的な言葉の値段 - レジデント初期研修用資料

    要するに声がほしい。自分が抱えている問題に対して、その「声」をもらうことで、問題が解決したり、少なくとも問題を抱えて声を聞く、そんな体験を通じて、少しでも前に進みたい。 こういう欲求は、裏を返せば「俺様に耳あたりのいい、役に立つ言葉だけをたくさん聞きたい」というわがままの裏返しにしか過ぎないんだけれど、そういうものを買えるなら、ぜひお金を払いたい。お金を払う用意があっても、そういうサービスは見当たらなくて、結果としてたぶん、自分はインターネットという場所で、ずっとこんなことをしているんだと思う。 見込みのない奴はほめられる はじめて自分の原稿を公開したときには、それはもう絶賛だった。 「すばらしいです」とか、「になったら買います」だとか、まだまだ不完全な、ページ数も今の6割ぐらいしかなかったものを、みんなこぞってほめてくれた。 いい気になってページが増えて、原稿を、最初は業界最大手の出版

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    verfallen 2010/01/23
  • 案外やっていけるお店のこと - レジデント初期研修用資料

    自宅から車で10分ぐらいのところに、小さくて、今にも潰れそうな屋さんがある。休みの日なんかにそこを通って、人が入っているのを見たことがないんだけれど、もうずっとそこで商売をしていて、風景は変わらない。 店の広さはせいぜい12畳といったところで、品揃えも漫画と雑誌ぐらい、駅の売店がちょっと大きくなった程度で、これといった特徴のないお店。 「そこを使っているのは子供なんだよ」なんて、最近教えてもらった。 平日の人の流れ このへんは例によって妄想でしかないんだけれど、その店を潤しているのは、たぶん「学校の子供さん」なんだと思う。 店のそばには小学校があって、そこの子供たちが、たぶん帰りしなに、そのお店による。子供は車を運転できないから、町中にあるもっと大きな屋さんにはいけないし、キャッシュカードも持ってないだろうから、Amazon で何かを買うのも難しい。「お客さん」の数自体は、どれだけ多

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    verfallen 2010/01/20
  • 高重圧環境で正しく振る舞う - レジデント初期研修用資料

    プレッシャーの大きい状況で、普段どおりの振る舞いかたをするのに必要なもの。 若い患者さんを見るのは怖い そもそも当は、そういう「差別」みたいなのがあってはならないんだけれど、「怖い患者さん」と「そうでもない患者さん」というのは、どうしたって存在する。 たとえば97歳の、もう5年ぐらい寝たきりで、呼びかけたってもう3年ぐらい返事をしないような高齢の患者さんが紹介されて、その人がたとえば重症の肺炎であったとしても、診察するほうは、そんなに怖くない。高齢で、重症だったら、もちろん生命にかかわることだって十分あり得るんだけれど、やるべきことをやって、よしんば経過が良くなかったとしても、ご家族はたぶん、それなりに納得してくれるだろうから。 これがたとえば、30歳ぐらいの元気な人が、細菌性の扁桃腺炎なんかでべられなくなって入院したりするのを見るのは、ものすごく怖い。若いし元気だからこそ、たぶん教科

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    verfallen 2010/01/17
  • 「学」は平凡に価値を付加する - レジデント初期研修用資料

    根拠なんてなくても、すごい技術を持っていればそれでご飯がべられるけれど、状況が変わったり、才能のある素人が業界を浸すると、技術は安く買いたたかれて、最後には業界が滅んでしまう。 業界の仕事が「学」として確立すると、平凡であることにも価値が生まれて、お金を取る根拠が生まれるのだと思う。 才能は買い叩かれる プロが「才能の無駄遣い」を発揮する場面が増えた。ニコニコ動画もそうなんだろうし、blog が増えて、専門家が自分の意見を書く場面が増えて、フリーライターの人たちなんかは、今はけっこう大変らしい。ある分野の専門家は、たぶん「書くこと」以外の仕事べているのだろうから、何かを書くことそれ自体は「才能の無駄遣い」であって、それは無償で為されることが多いから。 いろんな業界の「才能の無駄遣い」は、それを見せてもらうのははすごく面白いのだけれど、残念ながらそれは「無駄」であって「無償」が前提で

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    verfallen 2010/01/17
  • ゼロに戻すためのコスト - レジデント初期研修用資料

    著作物やゲーム、乗用車みたいな工業製品、あるいは農作物やペットに至るまで、お金を通じて売買される価値を持った何かというのは、「情報」という言葉で代表させることができる。 対価を支払って「情報」を手に入れる、「購買」という行為はこれから先、未来はどんどん細っていくのだと思う。それは安価な中国製品みたいな、価格破壊というやりかたであったり、あるいはうちの犬みたいに「誰かから無償で分けてもらう」ような、情報入手の手段が多様化していくことであったり、いろんなやりかたが手提案されていく中で、情報それ自体の価値というのは、たぶんだんだんと減っていく。 情報の価値は、どんどん「ゼロ」に近づく。一部の情報は、むしろその価値を高めるんだろうけれど、平均すれば、ある分野の情報が生み出す富の総和は、やっぱりこれから減っていく。 それが貴重であった昔とは対照的に、情報はどんどん増えて、ちょっと油断しただけで、部屋

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    verfallen 2009/12/26
  • 合理化が手にした利益 - レジデント初期研修用資料

    恐らくは「能力ある人を育てる仕組み」があった場所に、「既得権」と「無駄」というキーワードをぶつけると、そこが「合理化」する。合理化した帰結として、「能力ある人を育てるための教育コスト」が、「無駄を排除した利益」として、攻撃者に転がり込んでくる。 合理化はだから、短期的には間違いなく利益を生む。その代わり、教育システムが「合理化」されてしまうから、もう後続は育たない。教育システムを再建しようにも、それには「既得権」のラベルが張り付いているものだから、政治という営為が「嫉妬の最小化」を目標に行われている以上、システムが再生することはあり得ない。 昔は旦那がいた 「日一の左官職人」の昔話。 その人が若い頃には、どこの町にも「大旦那」とか「若旦那」がいて、若手の職人は、そういう人に目をかけてもらって、ある日「粋な茶室を作ってくれ。金は出す」なんて注文を受けたんだという。機会を与えられた若手は必死

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    verfallen 2009/11/14