中辻憲夫 物質-細胞統合システム拠点(iCeMS=アイセムス)拠点長(幹細胞生物学)、コンスタンチン・アグラゼ 同教授(生物物理学)、門田真 医学研究科博士課程学生(アグラゼグループ所属、中辻グループ受入、循環器学)らは、ヒト胚性幹(ES)細胞・人工多能性幹(iPS)細胞から分化させた心筋細胞シートを用いて不整脈の心臓病モデルを作成し、薬剤による不整脈の治療効果を再現することに成功しました。この成果は、ヒトES/iPS細胞を用いた不整脈メカニズムの解明と新たな治療法の開発、さらには細胞治療への安全性評価に貢献することが期待されます。 本論文は、欧州心臓病学会誌「ヨーロピアン・ハート・ジャーナル」電子版でロンドン時間2012年11月30日18時に公開されました。 概要 本研究グループは、ヒト多能性幹細胞(ES/iPS細胞)から心筋細胞に分化誘導させた後、その心筋細胞を低密度で培養することで
千葉勉 医学研究科教授(消化器内科学)、妹尾浩 同講師、中西祐貴 同大学院生らの研究グループは、癌幹細胞を特定するマーカーとして「Dclk1」を同定しました。本研究グループは、遺伝子改変マウスを用いた実験でDclk1発現細胞を障害することにより、正常組織への副作用がなく、癌のみを縮小させる理想的な癌幹細胞治療の可能性を示しました。 本研究成果は、癌幹細胞を標的とした治療法開発の障害となっていた諸問題を解決するもので、新世代の癌治療法開発へ向けた大きな進展が期待されます。なお、この研究成果は英国科学専門誌「Nature Genetics」オンライン版に2012年12月3日(日本時間)に掲載されました。 背景 癌幹細胞は、癌組織をつくる「親」になる細胞であり、癌の再発、転移などの原因になると考えられています。癌を根絶するためには癌幹細胞の排除が必須であるとの考えに基づいて、癌幹細胞のマーカー
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