中村憲剛の目(J1川崎)(15日、フランス4―2クロアチア ワールドカップ決勝) フランスのサッカーは、エムバペがいるからこそ成り立っていた。 2―1とリードした後、自分たちが少しバタついた時間帯を経て、完全に割り切った。クロアチアにボールを持たせてもいいから、自陣ゴール前でブロックをつくり、カウンターを狙うやり方にシフトした。陸上選手と見間違えるようなエムバペの驚異的なスピードがあるからこそ、ボールを奪った瞬間、一気に形勢を逆転できる。その信頼感があるから、後ろの選手は気持ちを切らすことなく、守りに専念できる。試合を決めた後半14分の3点目。ポグバが大きく蹴り出したパスに、エムバペが反応したところが起点となった。 1次リーグ初戦の豪州戦を見ていたときは正直、優勝は難しいかなと思った。エムバペとグリーズマン、デンベレを並べた前線のバランスが悪いと感じたからだ。 驚かされたのは、デシャン監…